有害図書指定にすべし。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【解答乱麻】

元高校校長・一止羊大 問題の核心に蓋をするな




『はだしのゲン』を学校で子供に自由に閲覧させるのは教育上好ましくない、との指摘を、「表現の自由」「知る権利」の観点から非難する論調がある。暴力や性の描写問題に論点をすり替えて報道するメディアさえある。困ったものだ。問題の核心に蓋をする所業だと言わなければならない。

 『はだしのゲン』は自国の歴史を自虐的にねじ曲げ、ウソに基づいて祖国に悪態をつく反日姿勢で描かれている。これがこのたび提起された問題の核心だ。自由閲覧の是非をこの点に注目して考察すれば、この漫画の教育上有害な本質が見えてくる。戦争や原爆を考える教材として有用な部分があるとしても、それを吹き飛ばすほどの本性が炙(あぶ)り出されてくるのだ。

 作者は、一握りの金持ちが儲(もう)けるために戦争を始めたというウソをはじめとして、朝鮮から食糧を取り上げて飢えさせた、朝鮮人に無理矢理日本名を名乗らせた、強制連行して戦場で戦わせた等々のウソを、さも真実であるかのように描いている。「日本が三光作戦という殺しつくし奪いつくし焼きつくすで、ありとあらゆる残酷なことを同じアジア人にやっていた」とゲンに叫ばせてもいるが、これは、某国が得意とする反日宣伝の丸写しだ。そもそも、日本には「三光作戦」などという言葉も文化も存在しない。
作者はまた、日本の兵隊さんが、おもしろ半分に人の首を切り落とす、あるいは婦人の腹を切り裂いて胎児を取り出す、女性の性器に一升瓶を叩(たた)き込んで殺すなどといった残虐でおぞましい行為を軍の方針で行っていたかのように描いてもいる。これは史実に反するだけでなく、国家国民のために生命を賭して戦った父祖の名誉を不当に傷つけ、貶(おとし)めるものだ。

 さらに作者は、ゲンが戦争犯罪者だとして天皇陛下を罵倒し、国歌「君が代」を罵(ののし)って卒業式を妨害する情景も嬉々(きき)として描いているが、これは、左翼教職員の蛮行を美化し支援する行為そのものだ。作者が反日左翼であることはもはや微塵(みじん)も疑いようがない。

 このような本を学校図書として推奨し、成長途上の子供たちに自由に読ませてよいわけがない。

 日本が他国を侵略するために太平洋戦争を始めたというのは、東京裁判やGHQ(連合国軍総司令部)が日本に浴びせた不当な言い掛かりにすぎない。日本は罠(わな)にはめられ追いつめられて、やむなく欧米列強に一撃を加えたというのが歴史の真相ではないか。東京裁判で「日本=悪玉」を演出した張本人であるあのマッカーサーでさえ、1951年アメリカ上院軍事外交合同委員会において、日本は自衛のために戦争に踏み切ったと明確に証言しているのだ。

 日本人でありながら、子供たちに日本は侵略戦争をした極悪非道の国だと教え、天皇陛下に戦争責任があるかのように刷り込むのは、祖国に対する犯罪行為以外の何ものでもない。

松江市の教育長が『はだしのゲン』を児童生徒に自由閲覧させないよう各校長に指示したのは、極めて当然で賢明な対応であった。「手続きに不備があった」として指示が撤回されたのは残念至極である。正当な手順を踏んで改めて指示を出すべきだ。子供に有害な図書は他にもあることを視野に入れながら、文部科学省をはじめ各教育委員会は、この問題を真剣に考えていただきたい。

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【プロフィル】一止羊大

 いちとめ・よしひろ (ペンネーム)大阪府の公立高校長など歴任。著書に『学校の先生が国を滅ぼす』など。