国家安全保障局、初代局長に谷内正太郎内閣官房参与。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









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谷内正太郎氏(小野淳一撮影)



 安倍晋三首相が、外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の事務局「国家安全保障局(安保局)」の初代局長に谷内正太郎内閣官房参与(69)の起用を決めたことが11日、分かった。焦点だった安保局長人事が決まったことで、NSCは創設のための関連法案が月内にも成立した後、始動する。

 谷内氏は米国のNSCに詳しく、外交と安全保障の一体的な政策運用の必要性を首相に進言してきた。日本版NSCは首相が第1次政権でも取り組みながら断念した「悲願」で、首相側は谷内氏に安保局長就任の打診を繰り返してきた。

 谷内氏はこれまで「首相のサポート役に徹したい」として態度を保留していたが、最終的に首相の強い意向を踏まえ、受諾した。

 谷内氏は第1次安倍政権時代に外務事務次官を務め、日中の戦略的互恵関係構築や「価値観外交」展開の中心的な役割を担った。第2次安倍政権では内閣官房参与として政府の有識者会議「安全保障と防衛力に関する懇談会」のメンバーを務めている。NSCの立案や外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」策定の議論にも参画。首相の外交アドバイザーで、密使の役割を担うこともあるほど首相の信頼は厚い。

 安保局長は事務方の最高責任者に位置付けられ、各国のNSCトップと同格の扱いとなる。日本版NSCの中枢である首相、官房長官、外相、防衛相の「4大臣会合」を直接支えるため官邸内に常駐する予定だ。

安保局長ポストをめぐっては、外務省と防衛省が水面下で激しい争奪戦を繰り広げていた。局長に外務省出身の谷内氏が就く一方、官邸側の意向で事務を担う安保局の「総括」「戦略」「情報」など6部門のトップのポストは防衛省3、外務省2、警察庁1とバランスを重視して配分する。

 政府は、日本版NSC創設法が成立したら、12月中に4大臣会合を立ち上げ、国家安全保障戦略と新しい防衛大綱を決定する。60人規模となる安保局は来年1月に設置する方針だ。

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 やち・しょうたろう 昭和19年、石川県出身。東大大学院修了後、44年に外務省入省。総合政策局長、内閣官房副長官補などを経て平成17年1月から20年1月まで外務事務次官。24年12月の第2次安倍政権発足に伴い内閣官房参与に就任した。


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