【皇室ウイークリー】(304) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








雅子妃殿下、3年9カ月ぶり国内泊まりがけご公務。

陛下、高倉健さんに文化勲章ご授与。

皇后陛下、雅子妃殿下に「お気遣い」


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仮設住宅団地を訪れ、入居者に声を掛けられる皇太子同妃両殿下=2日、岩手県釜石市



 皇太子ご夫妻は1、2日、東日本大震災被災地のお見舞いで岩手県を訪問、震災直後の平成23年6~8月に訪ねた東北の被災3県の再訪を果たされた。療養中の皇太子妃雅子さまにとっては、国内では約3年9カ月ぶりとなる泊まりがけでのご公務。雅子さまは訪問先で、被災した人々に親身に寄り添われた。

 初日は雅子さまのご体調を考慮し、盛岡市へのご移動のみに。2日目は津波被害を受けた沿岸部の釜石市へ入り、高齢者の孤立防止などに配慮した「コミュニティケア型」の仮設住宅団地を訪ねられた。同団地は地域交流作りを促すため玄関を向かい合わせにしているほか、看護師や介護士らが24時間態勢で常駐して買い物支援や生活相談、子育て相談も行う「サポートセンター」を併設している。現在はおよそ230世帯、約460人が入居している。

 ご夫妻は、高齢者らに「お体は大丈夫ですか」「よくご無事で」などと語りかけ、見送りに並んだ人々にも声をかけるなど、当初の予定を超えて約1時間ご滞在。避難生活を送る人々を励まされた。雅子さまは、震災当時を思い出して涙が止まらない車いすの70代の女性の手を握り、「お大事にね」と慰められた。

 同タイプの仮設住宅は遠野市にもう1カ所あり、天皇、皇后両陛下が7月の岩手県訪問時に訪ねられている。

ご夫妻は、釜石市の水産加工会社「小野食品」もご視察。同社は津波で全生産設備が被害を受けたが、従業員総出で復旧に当たり、約3カ月で操業を再開させた。ご夫妻はマスクに白衣姿で商品製造工程をご覧になり、皇太子さまは「震災の時、大変でしたでしょう」とねぎらわれた。

 宮内庁東宮職によると、今回も出発直前まで体調を整えていたという雅子さまだが、訪問先では細やかな心遣いを見せられた。建物に入る際、玄関の柱が一般の出迎えの人々との間を遮る形となった時には、柱の向こう側を左右からのぞき込むようなしぐさで、にこやかに何度も手を振られた。仮設住宅では、ご体調を気遣う高齢者の男性に「ご心配をおかけして。どうもありがとうございます」と応じられる場面もあった。

 文化勲章親授式が3日、皇居・宮殿で行われ、陛下が映画俳優の高倉健さんら5人に勲章を手渡された。両陛下は5日には、新たな文化功労者も含めた恒例の茶会を催された。高倉さんは体調不良で欠席したが、両陛下は受章者らをにこやかにねぎらわれた。

 皇太子ご夫妻と秋篠宮ご夫妻もご同席。雅子さまは岩手から戻って3日後だったが、10年ぶりのご同席となった。皇后さまと秋篠宮妃紀子さまは和服をお召しになったが、雅子さまは洋装で臨まれた。宮内庁によると、これは雅子さまのご体調などを考慮された「皇后さまからのお心遣い」だったという。

両陛下は5日、東京都渋谷区の明治神宮文化館で、「明治天皇百年祭記念 第2回『明治天皇六大巡幸』展」をご覧になった。明治天皇は明治5年から18年までの間、6回にわたって全国各地を訪問。両陛下は昨年の第1回展も鑑賞しており、後半に焦点を当てた今展でも、ゆかりの絵画などを見て回られた。

 三笠宮家の彬(あき)子(こ)さまは2日、英国とフランスの訪問を終えてご帰国。翌3日、伊勢神宮の式年遷宮を記念した都内でのイベント「伊勢神話への旅」で特別講演された。

 高円宮妃久子さまは7日、「日本水難救済会」名誉総裁として宮城県を訪れ、復興状況を視察された。海上保安庁の巡視船から港などの状況を見たり、同会や漁協の関係者らと懇談したりされた。



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岩手県釜石市の応急仮設住宅「平田第6仮設団地」を訪れ、入居者に声を掛けられる皇太子同妃両殿下=2日(代表撮影)