IOC総会での東京のプレゼンテーションで、あいさつされる高円宮妃久子殿下=7日、ブエノスアイレス(共同)
「震災支援、国民代表し御礼」
【ブエノスアイレス=福田涼太郎】
国際オリンピック委員会(IOC)総会では、高円宮妃久子殿下も日本のプレゼンテーションの冒頭、流暢(りゅうちょう)なフランス語と英語でスピーチされた。東京招致には直接触れず、東日本大震災の被災地支援について「日本国民を代表して御礼申し上げたい」と述べられるなどの内容だったが、大きなPRになった。
日本サッカー協会をはじめ多くの競技団体の名誉総裁を務めるなど、スポーツ界にお詳しい久子殿下。まずフランス語で「感謝の気持ちは一生忘れません」と述べられた。続いて英語で、「日本の皇族は常にスポーツを支援してきました。私は9つのスポーツ組織の名誉総裁を務めています」と語られた。約4分半のスピーチを終えられると、会場から大きな拍手が送られた。
また、寛仁親王妃信子殿下のご長女、彬子(あきこ)女王殿下も総会前にIOC委員と懇談された。
高円宮妃久子殿下お言葉要旨。
まず、日本国民を代表して御礼申し上げたいことがございます。2011年、大きな地震、そして津波を体験しました。国際オリンピック委員会(IOC)と関係者の皆様は、深い同情の念を表していただきました。私どもはそれに対する感謝の気持ちは一生忘れません。
私は個人として、IOCの皆様に心から感謝したいと思います。IOCの特別な支援「ツバサ・プロジェクト」は、若い選手たちに、笑顔と希望をもたらしてくれました。日本語の「ツバサ」は、英語で「ウイング」という意味です。この翼を得て、未来へ、そして夢へ飛び立とうとしています。
私たちのような皇族がこのように話をすることは初めてかもしれません。しかし、日本の皇族は常にスポーツを支援してきました。私の亡くなった夫はスポーツマンでした。私は9つのスポーツ組織の名誉総裁を務めています。そのため、非常に多忙です。
「チームジャパン」がこれからプレゼンテーションを始めます。説得力のあるものとして聞いていただけると思います。今回、このような機会を与えてくれたことを、感謝いたします。