ミサイル防衛より攻撃用兵器の保持。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





【誇れる国、日本】戦争抑止には現実的な防衛力整備を。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130825/dms1308250731002-n1.htm



海上自衛隊の飛行艇US2


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 中国は軍事費を20年以上も2ケタ増させ、今や米国、ロシアに次ぐ軍事大国となった。一方、日本は防衛費を減らし続け、ようやく安倍晋三政権となった2013年度、11年ぶりに防衛費をプラスにした。そして、来年度も2・9%増の予定だ。これで2年続けての増額となる。

 私は、安倍首相の決断を支持する者だが、中国と競い合うように「防衛費をどんどん増やせ」といった意見にはくみしない。日本のGDP(国内総生産)はこの20年間、増減はあるが伸びていない。防衛費だけを突出させるのは疑問で、この先、経済力がついてくれば増額を図るべきだ。

 日本の防衛費は専守防衛を基本とする憲法上の制約もあり、効率的に使われていない。「攻撃は最大の防御なり」との言葉があるように、1兆円以上かけても役に立たないMDシステム(ミサイル防衛)で備えるより、抑止力としての攻撃用兵器(弾道ミサイルや巡航ミサイルなど)を持つことは、安上がりな防衛費で効果的だ。

 実は、最も安上がりの防衛兵器は核兵器だが、それには世論の支持が必要だろう。

 以前、台湾の政治家と会談し、中国に対抗する軍事戦略を聞いたことがある。彼は「中国が台湾侵略に着手したら、上海だけを徹底的に攻撃し、破壊する。台湾にはその能力がある。これこそ抑止力だ」と語っていた。

 相手の攻撃をためらわせる十分な反撃能力を持つことが抑止力というのは、日本以外の国際常識である。日本の領空・領海を侵犯する他国の軍用機や船舶が絶えないのは、「どうせ、日本は何もできない」と見透かしているからだ。

 戦争は軍事のパワーバランスが崩れると誘発される。中国は、チベットやウイグル、内モンゴルなどを吸収して拡大してきた。今、その矛先が日本に向かってきている。

 領土・領海を守り、悲惨な戦争を二度と起こさないためにも、台湾のように、日本も攻撃されたら北京だけを徹底的に破壊する戦力だけを持てばよい。そのような現実的な防衛力整備を考えるべきだろう。

 安倍政権は、海上自衛隊の救難飛行艇「US2」をインドに輸出する手続きに着手した。フィリピン沿岸警備隊を支援するため、巡視船10隻を供与する意向も表明した。これからは武器を国産化して輸出もできるようにすれば、防衛産業の発展と防衛予算の効率的使用にもつながる。

 「最大の反日国家は『日本』である」と言われている。東京五輪の開催決定を機に「日本民族の誇り」を取り戻すことを合言葉にし、劇的に減速する中国経済を抜き、再び世界第2位の経済大国を目指すべきだ。

 そのうえで、国民の3分の2以上が「憲法改正」に賛成になるまで世論を醸成し、国会で現憲法破棄を決議し、自主憲法を制定すべきだ。膨張する中国と、暫時撤退をしていく米国の力の空白域を埋めることが、日本に課せられた使命であり、日本の繁栄が東アジアの繁栄と平和に貢献することである。

 

■元谷外志雄(もとや・としお) 

 石川県小松市生まれ。信用金庫勤務後、27歳で注文住宅会社を創業し、その後、ホテルやマンション、都市開発事業などを手がけるアパグループを一代で築き上げる。同グループ代表。国内外の多くの要人と交友関係があり、政治や経済、軍事に関する知識も豊富で、社会時評エッセーも執筆する。著書に「誇れる祖国『日本』」(幻冬舎)、「報道されない近現代史」(産経新聞出版)など。