福島放射線講演(H・カルディコット)に反論! | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





◆ 福島放射線講演(ヘレン・カルディコット女史)に反論!
  


7/7、国際文化会館で開催された、ヘレン・カルディコット の福島放射線講演内容が科学と医学から逸脱しているとして、その道の専門家高田純氏が反論されましたので、その一部を紹介致します。



< ヘレン・カルディコット女史講演の問題となる部分 >
 


問題となる次の9項目を列挙し、それらに対し、個別に科学的に反論します。

1: 福島の原発事故について、3号機の爆発規模は1000メガワット、広島原爆の1000倍、チェルノブイリ事故の3倍の放射線を放出。

2: 強制避難措置が取られたが、避難先は高線量状態であった。

3: 福島の甲状腺がん発生
チェルノブイリで甲状腺がん患者が確認されたのは事故から4年後であったが、福島では子供174,376人の検査で甲状腺がん発症者が既に12名出ている。又、通常は子供100万人に一人程度の割合である。尚、43.2%にがんの前兆ではと疑われる甲状腺の異常が見られた。

4: チェルノブイリの場合の10倍のセシウムが放出された他、現在でも時間当たり1000万 ベクレルの放射能が放出されていて、悲劇は今後も続く。放出された放射性物質は数百年、数千年に亘り降下し、汚染が続く。

5: 冷却のために毎日30トンの水を要する。汚染水は2015年までに70万トンに達し、いずれ太平洋に放出を迫られると見られ、となれば太平洋での漁業は壊滅するだろう。

6: 放射線はがんを誘発する。大気汚染そして海洋汚染から、その被害は連鎖的に拡大する。
日本人が汚染から隔離されることは困難である。日本国内ではこうした理解が乏しい。

7: 放射線は浴びれば浴びるほど悪影響を受ける。放射線には安全な量というものは無く、累積による影響もある。原発の再稼働は止めるべき。

8: 日本政府は甲状腺調査以外は殆ど何も行っていず、無責任である。

9: 原子炉は新設も輸出もすべきではなく、一切の既設原子炉の廃棄を目的とすべきであり。
No reactors! No new reactors!

この問題部分に対する高田純氏の反論;
http://rpic.jp/cgi-bin/topics/topics.pl?topicsid=00022
長文ですので、ここでは、3項と7項を記載します。詳細また全文確認はここ:↑

3: 福島県の小児の甲状腺影響の心配に対し、県は10メガヘルツのエコープローブを使用して甲状腺検査を実施した。しかも、確かな疫学調査とするために、ケース・コントロール・スタデイーが実施された。24年度、福島県民 134,074 人と県外(青森県、山梨県、長崎県)4365人の両者の甲状腺検査結果(平成24年度)に統計的差異はなかった。高分解能超音波エコー(10MHz 以上)を用いた、10万人規模の検査は、世界でも珍しい。カルデイコットが言う、100万人に1人の小児甲状腺がんは、未検査の場合に見つかる甲状腺がんの確率であり、10万に規模の実検査で発見される確率ではない。県内外の比較で、異常なしのA判定が 99.3%(県内)99.0%(外)、二次検査の必要ありのB判定は0.7%(内)1.0%(外)、直ちに二次検査の必要なC判定は 0.001%(内)0.0%(外)でした。すなわち、疫学調査の結果は、福島の子どもたちに特別な甲状腺の異常は発生していないことを示した。県内外で、甲状腺判定の差異は見つかっていない。今回の事例は、多数の検査で、普通の生活の中で発生する希な甲状腺異常が見つかった範囲である。(甲状腺がんいついての加筆:H25.8.9)福島県のエコー検査で発見された小児甲状腺がんを放射線が原因と断定する見解は科学的ではない。私の反論では、疫学調査の基本=ケース&コントロールを指摘した。すなわち、県外データとの比較から、福島の発生率が優位に高いかどうかを見極めることが大切である。目下のところ、福島県の子供の甲状腺がん発生率が、コントロール地域に比して高いとは認められていない。甲状腺専門医を含む3人の医師から、この件について、私は話を聞いた。10メガヘルツの高解像エコー検査を実施した場合の甲状腺がん発見率は、従来の集団検診をしない形で見つかる率よりも高いということであった。加えて、福島での甲状腺線量が35ミリシーベルト以下であったとの評価は、最大線量が50シーベルトだったチェルノブイリ事故のリスク係数を当てはめても、放射線由来の小児甲状腺がん年間発生リスクが、1000万人に1人と低い。すなわち、福島県で発生しないと判断される。これは、目下の疫学調査結果と一致している。

7:生命には適量の放射線が必要で、ゼロでは生きていけない。太陽は核エネルギー。生命の放射線影響は蓄積されていない。理由は細胞に寿命があるからである。ですから、毎日、適量の放射線を受けなければ、私たちは健康を維持できないばかりか、死んでしまう。たとえば電離放射線の一種である紫外線を浴びた皮膚組織内で、ビタミンDが合成されている。これが欠乏すれば健康を害するのである。原発再稼働と、放射線被曝とは無関係である。放射線を浴びるのは、病院の方が断然多いが、CTやPETなどの先進医療が普及した国ほど国民の平均寿命は長い。


ヘレン・カルディコット医学博士のプロフィール:1938年、オーストラリア・メルボルン生まれ。ハーバード大学の小児科でも教鞭をとり、2万3000人の医師を擁する Physicians for Social Responsibility(社会的責任を果たす医師団)の創立会長となる。その傘下組織「International Physicians for Prevention of 
Nuclear War(IPPNW)核戦争防止医師会議」は、ノーベル平和賞を受賞、ほか。