【皇室ウイークリー】(290) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








 三笠宮ご夫妻は7月29日、皇居・三の丸尚蔵館で、三笠宮さまの幼少時代の着物や洋服、写真などを展示した展覧会「三笠宮家ゆかりの染織美-貞明皇后、いつくしみの御心(みこころ)」を鑑賞された。高円宮妃久子さまと次女、典子さまもご一緒に楽しい時間を過ごされた。97歳の三笠宮さまは、ジョークを飛ばすなどリラックスしたご様子だった。

 大正天皇と貞明皇后の四男で、昭和天皇の弟に当たられる三笠宮さま。90歳の三笠宮妃百合子さまとともに、杖をつきながらご覧になった。展示されている着物などは戦時中の空襲による焼失を免れ、保管されてきた品々だが、貞明皇后の意向を受けてつくられたものが多いという。

 三笠宮さまが学習院初等科入学前にお召しになったという詰め襟服は一見、制服風。「貞明皇后の思し召しでね。学習院の服や帽子に慣れるようにということで…」と、懐かしそうに語られた。

 展示品をユーモラスに語られる場面もあった。杯の刺繍がある着物の前では「飲みたくなる?」と話し、周囲の笑いをお誘いに。初等科時代の野球のユニホームの前では、「随分使い込んでおられて」と話された久子さまに「滑り込んだりしてね。滑り込みのアウト」と応じられた。

戦前、陸軍に入ったことについて「大いに馬という魅力があったのかもしれない」と著書に記すほど、乗馬がお好きだった三笠宮さま。乗馬用キュロットとともに展示されていたポシェットの用途を尋ねられると、「ベルトにぶらさげていて、馬がいいことするとニンジンをやるんだ。ニンジン入れだ」と話された。久子さまは「小物入れと書いてありますが…」とお笑いになった。

 展覧会は9月29日まで一般に無料で開放されている。

 天皇、皇后両陛下は今週もさまざまな公務に臨まれた。陛下は、明治天皇が崩御した日に当たる7月30日、皇居・皇霊殿で明治天皇例祭に臨まれた。皇太子さまをはじめ皇族方もお出ましになったが、皇后さまは、首から肩にかけて激しい痛みが出る頸椎(けいつい)症性神経根症に配慮し、医師の勧めで控えられた。病気療養中の皇太子妃雅子さまもお出ましにならなかった。

 両陛下は8月1日、皇居・御所で、渡米してホームステイされる秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまからあいさつをお受けになった。その後、合流されたご夫妻と長女の眞子さま、長男の悠仁さまと一緒に夕食も囲まれた。

これに先立つ7月29日、皇太子さまは6日間に及ぶ岡山、大分両県の訪問を終え、帰京された。大分県では全国高校総体の総合開会式にご臨席。県によると、バスケットボールの試合を観戦した皇太子さまは長女の敬宮(としのみや)愛子さまのことに触れ、「愛子もバスケットボールを始めて、練習を楽しくやっています」と話されたという。皇太子さまは31日、お住まいの東宮御所で、沖縄県などから訪れた小学5年から中学3年までの「沖縄豆記者」約60人と歓談された。

 皇太子妃雅子さまはご訪問には同行しなかったが、28日には静岡県沼津市の海岸で、学習院初等科6年生の遠泳行事の参観日に臨み、愛子さまが泳がれる姿を見守られた。遠泳は初等科の伝統行事で、かつては皇太子さまも取り組まれた。宮内庁によると、愛子さまは平泳ぎやボートからの飛び込み練習にも取り組まれ、海岸付近から練習の様子を見た雅子さまは、ほかの保護者と歓談もされたという。

 久子さまは29日、明治記念館(東京都港区)で、第30回記念産経国際書展の贈賞式と祝賀会に臨まれた。