西岡 力ドットコム より。
金正恩政権が自爆に向かっている(3)
—-2008年夏以後の北朝鮮政権は無秩序化した。
金成昱
趙甲済ドットコム[ 2013-06-17, 22:08 ]
<1,920万人が空腹で、600万人が飢える危機>
11. 北朝鮮
住民は絶望と鬱憤を行き来している。金正恩登場以後、1年間米価格は2倍に跳ね上がったし、為替レートは70%が上がった。
国連
傘下の世界食糧計画(WFP)が今年1月から3月まで北朝鮮
家庭を訪問して実施したアンケート調査結果によれば、10世帯中に8世帯が食糧不足で困難を経験したと答えた。住民の80% 1,920万人が空腹な状態だ。WFPは食糧支援がすぐにない場合、600万人が飢える危機におかれていると明らかにした。スイス
開発協力庁の平壌事務所長であるカタリナ・チェルベゴ氏は「農村地域の住民たちが木根や薬草など食べることのできるものを片っ端からカバンに入れる場面をよく目撃している」と2013年5月、自由アジア放送(RFA)インタビューで明らかにした。平壌から遠く離れた農村であるほど食料事情は大変差し迫っていたと伝えられた。
1,920万人が食糧不足を経験していて600万人が飢餓線上をさまよう草根木皮状況だ。しかし金正恩は幸せだ。イルカ
ショーとスキー場、芝生造成に天文学的予算を消費している。 狂った政権、狂った独裁者だ。
北朝鮮
事情に精通した消息筋は「北朝鮮
住民たちの間で金正恩にこれ以上期待することがないという失望感、挫折感が拡散している」「経済状況が良くなったという消息は平壌の話だけで、地方の事情はかえって悪化している」と語っている。 最近中国
を訪問したある北朝鮮
軍幹部は「経済事情にかかわらずに芝生植え事業に財源を浪費するなど非現実的命令が乱発されている」と伝えた。
12. 2013年4月金正恩は最後の賭博を始めた。進退窮まった状況で、金正恩は若干の食糧を配って民心をなだめ韓国
に向かって強硬手段に出た。「核戦争・全面戦争」恐喝だ。
自由北朝鮮
放送金聖玟代表は「この状況で韓国
が北朝鮮
に屈服して食糧を与えれば金正恩は英雄になり3代世襲は強固になる」「韓国の多くの宗教家がしているいわゆる人道的対北朝鮮
支援も『金正恩を英雄にする作業』に過ぎない」と語っている。彼は「本当に北朝鮮
住民のためになるのは北朝鮮の変化を引き出す圧迫と封鎖」と強調した。
<北朝鮮
が自爆に向かって行く>
13. 啐啄同時。どんな体制でも自動的に滅びはしない。外圧と内爆の相乗作用が必要だ。母鶏とひよこが両側から殻をつつくことにより殻が破れるのと同じだ。歴史はそのように繰返されてきた。
金正恩政権は当惑しているだろう。開城工業団地
閉鎖のような一種の対南政策失敗に続き、中国の微妙な変化。脅迫と支援の惰性に慣れた北朝鮮
はさらに強い脅迫をしなければならない。これによって韓米に続き「金正恩はだめだ」という中国の共感が続けば北朝鮮
内のいわゆる強硬派と穏健派や、軍と党の間葛藤が増幅されるだろう。
「『強硬路線で何を得たの、損害だけではないか』と軍強硬派が叱責される時、権力層の中がガタガタし突発事件が起こる可能性も排除できません。金正恩と軍部が起こした今回の核危機を決算することになる時『損害だけではないか』という結論が出れば金正恩と軍部の権威が弱くなるでしょう」
北朝鮮
内部の路線闘争を分析しているある専門家の指摘だ。ジャーナリスト趙甲済先生は「路線闘争が権力闘争に悪化すれば10・26事件のようなことも可能だ」「矛盾と葛藤の程度が激しくなれば大爆発の臨界点に近づいて行くことになる」と話す。今や金正恩体制が滅亡に向かって暴走しているわけだ。
14. 亀裂の兆しはいろいろなところで感知される。まず大々的な軍部粛清。執権以後、統治資金が不足した金正恩は軍部の外貨稼ぎ・金儲け事業を横取りしてこれに対し反発する兆しが見える軍幹部粛清に邁進した。
2010年9月から2011年10月までの間に粛清された師団長・副師団長級の中間幹部だけでも300人余りに達する。北朝鮮 軍部の軍団長9人中6人が交替させられた。2012年7月北朝鮮 軍の最高実力者李英鎬も飛ばされた。粛清とともに大規模な降格、忠誠誓約の強要なども続いた。国内情報当局関係者たちは「北朝鮮の歴史上このような大幅な交替は前例ないこと」と指摘する。
(つづく)