自爆に向かう金正恩政権(1) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





西岡 力ドットコム より。



韓国で自由統一のために全国を講演してまわっている気鋭のジャーナリストで保守運動家である金成昱氏が北朝鮮 情勢について鋭い分析を発表しました。それを訳載します。


金正恩政権が自爆に向かっている(1)

-2008年夏以後の北朝鮮政権は無秩序化した。

金成昱

趙甲ドットコム[ 2013-06-17, 22:08 ]


1. 北朝鮮 崩壊の兆候があちこちに見られる。金正恩登場自体がそうだ。金正日が脳卒中で倒れた2008年夏以後、北朝鮮 政権は無秩序化しだ。合理的説明が難しいほどだ。これは金正恩の無能さを意味する。相当水準にまで開発した核兵器・ミサイルなど大量殺傷兵器と韓国内の北擁護勢力がなかったならば、もうすでに崩壊していただろう。 


2. 2012年金正恩は低俗水準であった牡丹峰楽団の公演を「模範的」と評価しながらも「低俗な風紀」を取り締まれと指示した。経済管理改編について自由に意見を言えいいながらも農場・工場で個人経営方式を提起した官僚を厳罰に処した。 201211月末、北朝鮮 全域の派出所長を集めて「人権蹂躪が無いようにしなさい」といいながら「不純敵対分子を血眼になって全部探し出しなさい」と指示した。人民は眼中にないすさまじい狂気だ。具体的事例は以下の通りだ。


3. 2013年金正恩は「核戦争・全面戦争・火の海」恐喝に熱中した。37日には2010年延坪島砲撃を主導した部隊を「現地指導」した。 4日後には白翎島打撃任務を与えられた部隊を視察し「命令さえ下れば敵を全部火のるつぼに沈めろ」と指示した。 

 反面、金正恩は228日平壌、柳京鄭周永体育館で往年のNBAスター、デニス・ロッドマンといっしょに米国のプロバスケットチーム「ハーレム・グローブトロッターズ」と朝鮮体育大学「ヘップルバスケットボールチーム」の競技を観戦した。金正恩は拍手しテーブルをたたき大声で笑った。労働新聞 1面にそのままの写真がのせられた。 


<戦争するといいながら芝生植える金正恩>


4. 戦争恐喝中の平壌は静かだった。 46日号「エコノミスト」は「種まきのための土地選び真っ最中」としながら「平壌は戦争でなく春を迎える準備に余念がない」と伝えた。 AP411日「戦争準備より都市美化に集中する」として「銃を下ろして芝生を植える軍人」の姿を伝えた。


 金正恩の芝生執着は有名だ。これはスイス 留学経験から始まったと見られる。 北朝鮮2012年科学院傘下の芝生研究所を設置、外国から30種余りに達する種子を持ってきて研究中だ。 現在、同研究所は拡張工事中という。 


 労働新聞 報道によれば、金正恩は3回目の核実験10日後である222日平壌の戦争勝利記念館の建設現場を訪問して「どんな種類の芝生を植えるのか」と質問した。「敵を火の海に沈めよ」と指示した311日の軍部隊訪問の時も「木々と地面をおおう植物(芝生)をさらに多く植えて、島を青い森にしなさい」と話した。


 金正恩は54日にも「耕作地を除いたすべての土地に木を植え芝生を植え空地や雑草が生い茂ったところがすべてなくなるようにしなければならない」として「東・西・中部地区にも芝生研究所分院を作るのが良いだろう」と強調した。公式報道から金正恩が幹部に下した指示事項の一部を引用してみよう。 


「芝生を平地にも植えて、山地にも植えなければならない。…ヨーロッパの国で植えられた芝生を見れば素晴らしくて感嘆するくらいだ。 労働党第1書記として直接、芝生研究事業に取り組もうと思っている。私は植木鉢で花を植えて育てるように家に芝生畑を作って芝生を育てている。幹部たちも栽培してみなさい」


「国土を百花満開の地上の楽園にすることは将軍様(金正日 )の遺言だ。われわれはこの遺言を徹底的に貫徹しなければならない。…花を植え育てる方法を人民に教えなければならない。…平壌だけでなく全国に草花公園を整備しなければならない。」


 金正恩の関心事は住民たち人権でない。食糧でもない。自分のおもちゃのような北朝鮮 を守ることだ。 


 子供たちの40%、北方3道の5才未満子供たちの70%が栄養失調である北朝鮮 で、食糧用とうもろこしを植えても足りないのだが、金正恩は芝生を植えることに余念がない。 それと共に「ヨーロッパの国で植えられた芝生を見れば素晴らしくて感嘆する」として「百花満開の地上の楽園にする」「花を植え育てる方法を人民に教えなければならない」とわーわー言い続ける。韓国の人道主義者がまずなすべきことはこのような世襲独裁者を助けるために食糧を与えるのではなく、悪漢体制を終わらせることだ。


<飢えているなら料理方法を開発せよ>


5.「金正恩は俳優だ」金日成金正日 の精神分析専門家として知られる白サンチャン韓国 社会病理研究所長の言葉だ。彼は「金正恩は家族の気質である強迫症に加え複雑な家庭事情、これが不安定な性格を作ったし、突然権力を握ってどうしたらいいか分からない状況」と指摘する。 


 不安定な金正日 の背後にいる監督は党と軍の老人たちだ。 北朝鮮の写真・映像には金正恩が老いた軍将軍に囲まれて傲慢に振る舞う姿がしばしば出る。これは北朝鮮の未来に暗い影を照らす。独裁者、老いてみにくい奸臣たち、予測不可能な挑発と崩壊の可能性が大きいということだ。


 20134月、北朝鮮 内部消息筋は飢餓問題に対する「キム・ジョンウン 式解決策」を伝えた。 『新東亜』4月号に報道された消息筋の話だ。


「金正恩が『今、食料事情が緊迫しているが、わが国の人民たちはご飯にだけ執着していて、パンを食べても食事ではないと感じ、また、ご飯を食べている』『一般事務員の一日穀類消費量は500gほどになるが、他の国に比べて食糧として使われる穀類消費量がとても多い』 『わが国の人民たちが今のように料理の常識がないならば料理をうまく作って食べることができないから、料理法等を録画編集した物をDVD で製作すれば良いだろう』とも言及した」


 食料事情が悪化したのはご飯に執着しているためだから、色々な料理法を開発せよという指示であった。 フランス 革命前、「パンがなければケーキを食べなさい」と言ったというマリーアン トワネット王妃を連想させる。

(つづく)