【突破する日本】
国際宣伝戦でも勝つ「強い日本人」育成を。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130609/plt1306090707000-n1.htm
日本が中国・韓国の仕掛ける「国際宣伝戦」に敗れているのは、国際社会に自己の言い分を主張してこなかったためだ。「真実はいずれ明らかになる、世の中は分かってくれる」が通じるのは日本社会の中だけだ。
中国はワシントンに英語の達者なロビイストを100人以上送り込んでいる。日本は外務省の役人がわずか2人。中国系米国人も母国と同調している。韓国は米政府や議会関係者だけでなく、各州の政府・議会、地方自治体の当局・議会にまで積極的に働き掛け、「慰安婦=性奴隷」説を定着させた。日本は完全に出遅れている。
国家として国際宣伝戦に携わり、日本の言い分を周知させなければならない。このままでは「性奴隷」を用いたことを反省さえしない不届きな国家という烙印(らくいん)を押されたままだ。
中韓の宣伝戦は日本が再び立ち上がることを恐れたことによる。アベノミクスで日本経済が復調し、安倍晋三首相は憲法改正で「強い日本」を取り戻そうとしている。これを押さえ込むために歴史問題を持ち出し、国際社会に「過去を思い出せ、日本は反省さえしていない危険な国だ」という印象操作をしている。日本国内の左派勢力も加わって「日本は右傾化している」との大合唱が始まっているのだ。
元駐タイ大使の岡崎久彦氏は日本の保守主義には2つの課題があるという(産経新聞3月8日付)。1つは戦後史観の払拭、もう1つは安全保障の強化だ。だが、2つを同時に行ってはならず、後者を優先すべきだと岡崎氏はいう。
前者は国際問題になり、日本が孤立するからだ。橋下発言に対する国際社会の反応が典型だが、まずは集団的自衛権の行使を可能にし、米国の信頼を得てから戦後史観を払拭することが必要という。同感だ。
現状は中韓や国内左派の宣伝戦が成功して、憲法改正と歴史問題が結び付けられている。中国の脅威に抗するための憲法改正ですら、逆に「右傾化」のレッテルを貼り、日本国民に恐怖心を与えつつある。アベノミクスで内閣支持率は高いが、油断は禁物だ。
安倍内閣は教育再生を経済再生とともに最重要課題と位置づけている。教育再生の目的は世界と戦って勝つ強い日本人の育成だ。グローバル社会の中で日本人としての誇りを忘れず、日本の利益をしっかり主張する人材の育成。英語力も不可欠だ。国際宣伝戦でも勝つ「強い日本人」の育成も重要課題の1つだ。=おわり
■八木秀次(やぎ・ひでつぐ)
1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、高崎経済大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130607/plt1306070708000-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130606/plt1306060708001-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130605/plt1306050710001-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130604/plt1306040708001-n1.htm