本日(5月22日)午後、古屋圭司拉致問題担当大臣は「第2回日朝首脳会談9周年に際しての拉致問題担当大臣談話」を公表して、飯島参与訪朝後の時点での安倍政権の拉致問題への姿勢を明らかにした。その全文と西岡会長の開設をお届けする。
●西岡解説
飯島参与の訪朝後、現在まで家族会への説明はない。飯島訪朝が突然報じられたときは、私はブログに
〈下交渉だと思うが、そういうものが始まる前に公開されてしまうことは、異例中の異例。今回のことは、北朝鮮が意図的に情報を公開しているようなことなので、一体どういうことなのかなと驚いている。接触も交渉も必要だ。金正恩政権が困りだし、対日接近を企図してきたことも事実だ。しかし、厳格な行動対行動原則を守らず、たとえば調査委員会立ち上げに対して代価を出すというような安易な譲歩をすると、絶対に失敗する。緊張感を持って成り行きを見守りたい。〉
と書いた。
飯島氏は帰国後、官房長官と総理に内容を報告した。報道によると、調査委員会の立ち上げのような中途半端な要求でなく、生存者の帰国、真相究明、実行犯の引き渡しという安倍政権の拉致解決3原則と、核ミサイルと拉致の包括解決を目指すが、まず入り口では拉致を解決させたいという従来からの安倍政権の強い姿勢を伝えたという。また、安倍総理は北朝鮮が具体的行動をとらなければ制裁を強めると断言し、国際制裁破りなどしないと原則的立場を改めて表明した。
政府は飯島氏が北朝鮮側に何を伝えたかは一定程度明らかにしながらも、北朝鮮がどう答えたかについては、現在進行形だからとして箝口令をしいている。その中、本日、古屋大臣が記者会見を開き、以下の談話を公表した。やはり、こちらの原則的立場をきちんと述べつつ、北朝鮮最高指導者の決断を迫る内容だ。 金正恩政権がいま、どの程度苦境に直面しているのかに比例して、対日対応がきまろう。いましばらく、息を詰めて相手の出方を見るときだ。
なお、大臣談話の中でわが国は「情報収集活動を強化してきた」ので、時間稼ぎや拉致被害者隠蔽は一切通用しないと断言している部分を読み、かなりの情報を入手している自信を読み取った。以下、談話全文を掲載する。
●第2回日朝首脳会談9周年に際しての拉致問題担当大臣談話
平成25年5月22日
平成16年5月22日、平壌において小泉総理(当時)が金正日国防委員長との間で2回目の日朝首脳会談を行ってから早や9年が経ちました。この会談の中で、金委員長は、安否不明被害者について「白紙からの再調査」を表明しましたが、その後、北朝鮮側から提示された結果説明は、いずれも「死亡」、「未入境」というものでした。この説明に関し、裏付けとなる物的証拠が一切ないばかりか、不自然な点や矛盾点に満ちた、極めて不誠実なものであったことは既に皆様ご承知のとおりであります。
以来、我が方は、すべての被害者の安全確保と即時帰国、真相究明、拉致実行犯の引き渡しを強く求めてきましたが、北朝鮮側は依然として、「死亡」、「未入境」という自らの主張を一切変えておらず、平成20年6月に約束した「再調査」も未だ履行しておりません。
未だ北朝鮮に残されている日本人被害者の方々の心情や健康状態、肉親との再会を切なる思いで待っている御高齢の御家族のことを思いつつ、私は、この問題がもはや一刻の猶予も許されず、最後の担当大臣として必ずや解決を果たすとの決意を日々胸に刻んでおります。
同時に、我が方は、従来より、安否不明被害者についての情報収集活動を強化してきました。徒に時間を経過させることで事態の改善を期待し、あるいは、拉致被害者の存在を隠蔽することで拉致問題の終息を図るいかなる策動も一切通用せず、むしろ日朝関係を取り返しのつかない状況に追い込むだけであるということを私はここで強調しておきます。
また、我が安倍内閣においては、拉致被害者の無事帰国の実現なくしては、いかなる人道支援をも行わないことを改めて確認いたします。
さらに、前政権において、「拉致問題は決して風化せず、拉致被害者の方々や御家族がいなくなってしまったならば、日朝間の永遠に解決しない問題として残るだろう」との主張がなされましたが、北朝鮮側にも時間はないという点において、私も思いを同じくしております。
関係各国との緊密な連携を維持しつつ、日朝平壌宣言に則り、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、日朝の不幸な過去を清算することで日朝国交正常化を果たすという我が方の立場にいささかの変わりはありません。我が方は、北朝鮮の指導層において、今一度、日朝平壌宣言の精神に立ち返り、拉致被害者全員の帰還を実現し、日朝関係の再構築に向け、歴史的・大局的見地に立った正しい決断を下されんことを強く期待します。
以上
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