30日に行われるオランダ新国王即位式出席のため、皇太子同妃両殿下が28日から5月3日までの日程でオランダを訪問されることが、19日の閣議で了解され、正式に決まった。宮内庁は、9年余りにわたって病気療養中の皇太子妃雅子殿下のため、行事ご出席への準備期間などに余裕を持たせた日程になっていると説明。雅子妃殿下は中心的な行事以外については、可能な場合に限って皇太子殿下と一緒に出席されるとしている。
雅子妃殿下が外国を訪問するのは、静養のためご一家で同国に滞在された平成18年8月以来。公式訪問としては、同妃両殿下でニュージーランド、オーストラリアを訪問された14年12月以来約11年ぶりとなられる。
宮内庁によると、同妃両殿下は28日午後に政府専用機で羽田空港を出発し、同日中にアムステルダムにご到着。30日午後、新教会で開かれるウィレム・アレクサンダー皇太子の新国王即位式と、王宮での王室主催のレセプションにそろって出席される。
皇太子殿下は29日夜のベアトリックス女王主催の晩(ばん)餐(さん)会、30日夜の王室主催の夕食会など、これ以外の行事にも臨まれる。雅子妃殿下も国内での一部の公務と同様に、事前の体調などを勘案してこれらにも出席を検討される方針で、宮内庁は「オランダ側には、きちんと準備できるタイミングで雅子妃殿下のご出欠を伝えたい」と説明している。
井上暁東宮侍医長のほか、雅子妃殿下の適応障害の治療を担当する東宮職医師団の精神科医・大野裕氏も随行する。