皇室は新年に行事が集中するが、年度の節目の時期には大きな行事はなく、今週は天皇、皇后両陛下、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻のいずれも、報道各社の取材機会を伴うお出ましや行事が1件もない珍しい週となった。
両陛下は1日、皇居・御所で、宮内庁の人事異動者ら約60人の拝謁を5回に分けてお受けになった。
陛下のお世話を担当する侍従は侍従長、侍従次長を含めて9人おり、民間も含めてさまざまな分野から人材が集まっている。今回は民間(保険会社)と文部科学省出身の侍従1人ずつが役目を終え、警察庁出身で宮内庁総務課長だった坂井孝行氏(50)、厚生労働省出身の岩井一郎氏(44)が新たに就任した。民間出身が1人減り、中央省庁出身の侍従が増えた形だ。
一方、皇后さまのお世話を担当する女官を平成4年から、女官長を16年から9年間にわたって務めてきた濱本松子氏(70)は依願免となり、女官の伊東典子氏(70)が新女官長に就任した。伊東氏は国際金融コンサルタント事務所などを経て、女官を9年間務めてきた。
陛下は3日、歴代天皇・皇族の御霊がまつられる皇居・皇霊殿で神武天皇祭皇霊殿の儀に臨まれた。
神武天皇祭は初代天皇の神武天皇が崩御したとされる日に行われる祭典。皇太子さまも拝礼され、秋篠宮ご夫妻、常陸宮妃華子さまも参列された。77歳の常陸宮さまは、当日に天候不順や冷え込みが予想されたため、参列を見合わされた。
宮内庁の小町恭士東宮大夫は5日の定例会見で、皇太子ご一家が3月26日から29日にかけて静養で訪問された長野・奥志賀高原でのスキーの様子を明らかにした。
スキースクールに入った敬宮愛子さまは一層上達し、傾斜が急な斜面も滑られたという。ご夫妻にとっては3年ぶりのスキーとなったが、「ゆっくりと休憩を取りながら楽しまれました」(小町氏)。皇太子妃雅子さまは1日と5日には、宮内庁の人事異動者らを対象としたご会釈に皇太子さまとともに臨まれた。
ご夫妻は4月末のオランダ新国王の即位に合わせて同国に招かれているが、この会見では、ご夫妻で訪問されるかどうか、結論が出ていないことが明らかにされた。正式な招待状は、今週前半に届いたという。病気療養中の雅子さまがご訪問できるかについての検討に当たっては、東宮職医師団も加わっているとした。
両陛下が災害被災地をお見舞いし、励まされてきた映像記録をまとめたDVD「天皇皇后両陛下の被災地お見舞い-国民に心を寄せて」(企画・宮内庁、1500円)の販売が1日、始まった。販売申し込みを受け付ける菊葉文化協会によると、1日70~80件程度の問い合わせがある。東日本大震災や阪神大震災、雲仙・普賢岳噴火などの被災地域からの問い合わせが目立つという。
宮内庁は3月31日、陛下のいとこで65歳の桂宮さまが同日午後、発熱のため、大事を取って東京大学医学部付属病院(東京都文京区)に入院されたと発表した。同庁によると、桂宮さまは一時熱が38度台あったが、1日には平熱に戻られた。
寛仁親王家の長女、彬子さまは4日、北野天満宮(京都市上京区)を参拝し、神前に供える皇室ゆかりの和紙の造花「御(お)花(はな)神(しん)饌(せん)」を奉献された。ご自身が発起人代表を務める文化団体「心(しん)游(ゆう)舎(しゃ)」の活動として、彬子さまが子供たちとともに製作されたという。