銅剣、銅矛など国宝419点を展示。
=古代出雲歴史博物館
日本全国から年に1度、八百万の神々が集まるという神在月が伝承される島根県の出雲大社。2000年に境内から、かつての神殿を支えていた柱が出土し、現在、大社に隣接する「古代出雲歴史博物館」に展示されている。本博物館では古代神殿の模型など大社にゆかりのある品々のほか、県内の遺跡から発掘された国宝の銅剣、銅鐸を多数展示。世界遺産の「石見銀山」なども紹介し、古代から現代に至る島根の歴史、文化が堪能できる施設となっている。
館内には常設展として、テーマ別展示室と総合展示室がある。テーマ別展示室の最初は「出雲大社と神々の国のまつり」。出雲での発掘品、大社に関連する展示品がずらりと並んでいる。特に目を引くのは、展示室中央に設置された古代出雲大社本殿の模型だ。高さ48メートル、引き橋は109メートルあったとされる巨大構造物が、10分の1スケールで詳細に再現されている。
次のエリアは「出雲国風土記」を手掛かりに古代出雲の様子を再現した「出雲国風土記の世界」。県内の古墳から発掘された装飾品とともに、当時の暮らしをジオラマで紹介。等身大の人形で表現された市場の風景は、息遣いが伝わってきそうなほどリアルな仕上がりとなっている。
テーマ別展示室の最後は、弥生時代の青銅器、古墳時代の装飾品を展示する「青銅器と金色の太刀」。荒神谷遺跡から出土した358本の銅剣、加茂岩倉遺跡より発掘された39個の銅鐸など、国宝419点がまとめて展示されている。女王・卑弥呼が邪馬台国を統治していた時代に中国から渡来したとされる銅鏡も見どころの一つ。
総合展示室では、「島根の人々の生活と交流」をテーマに展示している。「四隅突出型墳丘墓」「出雲の玉作」「石見銀山」「たたら製鉄」を中心に、島根の歴史、文化を紹介。石見銀山製の丁銀に触れたり、たたら製鉄の炉へ風を送る道具「天秤(てんびん)ふいご」が体験できる。
このほか、館内に設けられたシアターでは「スサノヲ神話」「オオクニヌシ神話」など出雲神話の数々を放映。より分かりやすく、神話の世界が楽しめる。
開館時間は午前9時から午後6時まで(11月から2月は午後5時まで)。毎月第3火曜日が休館。常設展の料金は、一般600円、大学生400円、小中高200円。