強い政権にする。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





夕刻の備忘録 様のブログより。



反安倍宣伝の「起源」を問う。




さてさて、TPPへの「交渉参加」ということに相成った。そして、それは同時に反安倍キャンペーンが本格的に始まったことを意味する。

「同盟国であるアメリカ」が何か注文を付けてきた時、単純な賛成や反対で結論が出せるはずがない。長期的な戦略を持たなければ、対応できるはずがない。何より我々は、自国の防衛に関して、「同盟国」に著しく依存している。そして今、防衛上の危機にある。

注文の内容が日本国にとって不利なものである場合、これまでそれを真正面から潰す、潰し得る立場になかったのは、全て時の政権が弱かったからである。国民の支持が盤石ではなかったからである。

「世界の警察」「民主主義国のリーダー」を自認するアメリカにとって、選挙によって圧倒的な支持を得た政権の主張を、無視することはできない。彼等は彼等で、その方面の機微には敏感である。少なくとも彼等は大義名分を欲する。「日本国内にも様々な意見があるでしょう」「○○はむしろ歓迎しているようだが」などと言いだすのだ。そして、「そんな対応で政権が持ちますか?」と脅しをかけてくるのだ。

従って、我々はアメリカにその口実を与えず、その要望が理不尽なものであることを全国民が主張している、それが故の圧倒的な内閣支持率である、として見せ付ける必要がある。TPP反対と安倍政権支持が矛盾しない理由である。

そして、ここにアメリカの弱点がある。

かつて大陸を念頭に、「対米依存から脱し、正三角形の関係を作るべきだ」と唱えた愚かな首相が居た。実際、気を失うほどに愚かである。一方のアメリカは、こうした「弱点」を持つ民主主義国家である。そしてもう一方は、そんなことは意にも介さない一党独裁国家である。どうしてこの二国を対等に扱うことができるのか。

我々の対アメリカ戦略は、必ずこの部分を突く必要がある。「民主主義の雄としてどうですか」「世界のリーダーとして相応しい言動ですか」と常に問い続け、彼等の牙を抜いていく必要がある。彼等こそ「面子の国」なのだ。似たようなことを吠えまくっている隣国には、面子も誇りも自制心も無い。あるのは虚栄心と獣じみた野心だけである。

相手の立場を残し、こちらの主張を通し、全体を有利なものに変えるには、交渉の長期化とその芯を抜くこと、所謂「グダグタ化」を目指すしかない。そのためには強い政権が必要なのだ。実際、安倍政権は半ば成功しつつある。現状は

 TPPは既に元のTPPにあらず。
 されどTPPは未だ死なず

であろう。油断大敵、TPPは何度でも甦る。これからも名前を変え、形を変えて、利を得ようとする者達は「自由貿易の名の下に」、様々な「要望」を突き付けてくるだろう。年次要望書の類を廻る日米間の交渉は、これからも果てしなく続く。元より短期的な問題ではないのである。今に始まった問題ではないのである。

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にも関わらず、実に奇妙な批判が巻き起こっている。簡単にまとめれば、安倍不信であり、何時もながらの政治不信の大合唱である。そして、あきらめ顔で呟く、「だから日本はダメなんだ」論者の横行である。

今回のキャンペーンには、これまで以上に明確な特徴がある。それは、数々の批判、文句、イチャモン、嘲り、不信、絶望、そのどれを見ても、そこには「当事者意識が欠片も無い」ことである。そんなあなたは何人か、ということである。

安倍支持層を「安倍信者」と嗤い、「またしても騙されたか」と嘲り、「どうせ国民は置いてけぼりだ」と嘆く。それら全ての発言に当事者としての自覚が全くない。すなわち、日本人としての覚悟がない。「日本人にあらざる者」の言い草にしか思えぬのである。

安倍を支持しようがしまいが、そんなことはどうでもいい。しかし、成立早々の政権に逸早く三行半を突き付ける以上は、対案があるはずだ。誰を総理とし、次の与党をどう選ぶかという腹案があるはずだ。

そうしたことが何もないのに一人前に政権批判をし、あろうことか売国奴呼ばわりして独り悦に入っているのは、その本人が日本の将来、いや「日本の明日の心配をする必要がない人間」であるとしか思えない。日本人なら、とてもとても不安で不安で、そんな安っぽい啖呵は切れないものである。

思慮の浅い人も、異常なほど短気な人も、他人のアドバイスを全く聞かない人も、そしてマスコミに牛耳られている人も、マスコミを批判しながら、それに乗ってしかしゃべれない人も、日本人の中にも色々な人がいる。しかし、今回のキャンペーンを主導しているのは、明らかに日本と運命を共にする気の無い人間であり、日本の将来に責任を負わない人間である。

他人を信者呼ばわりする人間は、おそらく何かの信者である。他人をカルト呼ばわりする人間は、おそらくカルトの構成員である。それは半島に特有のパターンではないか。自分達がしたことを、相手がしたことにして謝罪と賠償のネタにする。あらゆることの起源を主張する連中の定型・定番の手口である。ならばこのキャンペーンの起源もまた、知れたことではないか。おめでとう、あなたがたが起源だ!

前回も書いたことではあるが、批判病に罹り、議論のバランスを取ることばかり考えて、自分の公平無私なる麗しさに酔い痴れたい人は、こうした自作自演のキャンペーンに最も弱い。毎度毎度のことではあるが、要するに「外国勢力の思う壺」に嵌っているわけである。情けないがこれが我が国の現状である、と理解するしかない。

政権にフリーハンドを持たせるには、強い政権にするしかない、という単純至極なことすら理解することのできない人達に、国際交渉の裏舞台を想像しろ、という方が無理なのだろう。せめて批判コメントを読む時には、それを書いた人間の「当事者意識」を疑う程度のことはして貰いたいものである。その顔付き、口吻を想像しながら読んで頂きたいものである。唯それだけで、解決することが山のようにあるはずだから。