「聞得大君誕生」の鑑賞のため、着席される天皇、皇后両陛下=8日夜、東京都千代田区の国立劇場(代表撮影)
37度台の発熱が2月28日に確認された皇后さまは今週、順調に回復し、公務に復帰された。3日に平常時に近い体温に戻ってからも、インフルエンザに感染している可能性を考慮し、慎重に公務に臨んでいたが、6日からは前日までつけていたマスクをせず、予定していた行事すべてに出席されている。
皇后さまは4日午前にお住まいの皇居・御所で、根本匠復興相らから東日本大震災の復興状況についての説明を天皇陛下と聞かれ、公務に復帰された。
皇后さまは発熱以外の症状はみられず、結局インフルエンザに感染されていたかどうかは分からないという。皇室では今冬、敬宮愛子さまと皇太子さまもインフルエンザにかかられたが、すべての期間を通じ、陛下のご体調には影響がなかったという。
皇太子さまは4日、お住まいの東宮御所(東京都港区)で、2020年夏季五輪開催を目指す東京を視察するため来日した、国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会のクレイグ・リーディー委員長(英国)ら18人を接見された。
6日には高円宮妃久子さまが、安倍晋三首相が主催した迎賓館赤坂離宮(港区)での「公式歓迎・東京五輪開催50年記念夕食会」にご出席。リーディー委員長らを歓迎した。
宮内庁では、皇太子さまと久子さまが出席した2つの行事について、「国際親善の観点から儀礼上表敬をお受けいただくという趣旨」と説明。皇室は政治的な事象に関わらないことをふまえ、行事ご出席は招致活動とは関係ないとする立場を繰り返し説明している。
だが、リーディー委員長は調査を終えた7日の記者会見で、「お目にかかれたことは国民的支持がある象徴だと思う」と、皇太子さまのご接見を、五輪招致活動と結びつける形で振り返った。猪瀬直樹都知事も同日の会見でこの言葉を引用、強調した。
こうした状況について、宮内庁幹部の今週の会見では、記者側から「実質的には招致活動に参加されているのではないか」といった疑問が噴出した。
山本信一郎次長は4日の定例会見で、記者から「猪瀬知事が接見を招致活動に結びつけて考えており、温度差がある」と指摘されると、「都におかれても皇室のスタンス、お立場を十分理解されての上での願い出であり、(宮内庁と)まったく同一の認識に立っていると思っています」と否定。
猪瀬知事に真意を聞く考えがあるかを問われると、「いろんな発言があるのかもしれませんが、いちいち言うようなことではないと思います。オリンピックに夢と希望をかけて、誘致の責任者として力一杯頑張っているお立場があるわけですから、夢を語るといったこともあるんではないでしょうかね」と述べた。
また、小町恭士東宮大夫は先週の定例会見ですでに「ご接見は国際親善が目的で、招致には関わらない」とする認識を示していた。今週7日の定例会見では、「政治的に微妙な要素があるのに、その危うさに宮内庁は鈍感になっている気がする」などと、一部の記者からさらに意見・質問が出たが、小町東宮大夫は「次長と同じ認識」とする説明を計4回繰り返した。
皇太子さまは5日から8日の日程で米国を訪問し、現地時間の6日午前にニューヨークの国連本部で開かれた「水と災害に関する特別会合」で、ライフワークとして研究している水をめぐる問題について、資料をスクリーンに映しながら基調講演された。皇族が国連本部で講演をされたのは初めて。
帰国した8日午後、東宮御所に到着されると、雅子さまが笑顔で迎えられた。
皇太子さまは国連の「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁を務められているため、国連の潘基文事務総長から招待があったという。
講演は約300人を前に、英語で約30分間にわたって行われた。東日本大震災や中世、近世の地震について述べられるとともに、当時の災害を記録した文学である鴨長明の「方丈記」を引用。「災害に強い社会をつくっていこうという私たち自身の強い意志がなによりも必要なのです」と述べられた。
宮内庁は4日、高円宮家の長女、承子(つぐこ)さまが早稲田大国際教養学部を、三女の絢子(あやこ)さまが城西国際大福祉総合学部を、それぞれ今月中に卒業される見通しであると発表した。
承子さまは8日に27歳の誕生日を迎えられた。卒業後の進路については、いろいろお考えになっておられるという。22歳の絢子さまは4月から同大大学院の福祉総合学研究科に進み、福祉について勉強を続けられる。
各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。
秋篠宮ご夫妻は4日、日本学士院(東京都台東区)で「第3回日本学術振興会育志賞」授賞式、記念茶会に臨席された。
秋篠宮さまは5日、総合研究大学院大学(神奈川県葉山町)で研究会に出席された。8日には皇居・三の丸尚蔵館で、開催中の「明治十二年明治天皇御下命『人物写真帖』-四五〇〇余名の肖像」をご覧になった。
常陸宮妃華子さまは5日、お住まいの宮邸でアジア婦人友好会の関係者を接見された。
「第84回宮様スキー大会国際競技会」のため北海道を訪問していた寛仁親王家の長女、彬子さまと次女の瑶子さまは3日、帰京された。