【皇室ウイークリー】(265) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








雅子妃殿下、石巻の人々に「頑張って」





草莽崛起:皇国ノ興廃此ノ一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ。 



 
天皇、皇后両陛下は7日、静養のため神奈川県葉山町の葉山御用邸に入られた。御用邸にはほかにも那須御用邸(栃木県那須町)、須崎御用邸(静岡県下田市)があるが、新年の宮中行事が一段落したこの時期に温暖な葉山で静養されるのが、毎年の恒例となっている。

 両陛下は同日午後には御用邸裏で、「小磯の鼻」と呼ばれる海岸を散策された。このご散策では、報道各社の取材機会があることが慣例となっている。

 強い風が吹く中、おふたりで寄り添うように歩かれる両陛下。皇后さまは陛下の左腕に、そっと手を添えられている。小磯の鼻は岬のように海に出っ張っているため、太平洋だけではなく、別荘地としても有名な地域が望める。

 「あそこに、あんな…」「気がつかなかったね…」

 何を見ているのか、こんな風に話される陛下。途中で眼鏡をかけられる場面もあった。

 両陛下はその後、集まった近くの住民らのもとへ行き、言葉も交わされた。一昨年秋に青森県十和田市から長男の住む葉山町に移り住んだという中村かほるさん(82)には「(青森では)地震は大丈夫でしたか」と尋ねられた。

 集まった住民らは、昨年2月のご静養直後に心臓の冠動脈バイパス手術を受けられた陛下のご体調を心配する人が多かった。「お体はどうですか」といった声に、陛下は「どうもありがとう」と応えられていた。昨年のご静養の際にも訪れたという女性(72)は、「陛下は、昨年と比べて顔色もよいように感じました。とても、うれしい」と話した。

 ご静養は日曜日の10日までの予定。8日午後には秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さま、長男の悠仁さまも合流された。両陛下はお孫さまと、どんな楽しい時間を過ごされているのだろうか。

皇太子妃雅子さまが1月31日に国際連合大学(東京都渋谷区)を訪れ、環境問題をめぐる国際会議を聴講したことを先週の皇室ウイークリーで紹介したが、雅子さまは引き続き多様な活動に臨まれている。

 まず、土曜日の2日には国立劇場(東京都千代田区)で、東日本大震災復興支援と銘打った民俗芸能の公演「東北の芸能II宮城」を皇太子さまとご覧に。3日には、ご一家で松屋銀座(東京都中央区)を訪れ、長女の敬宮愛子さまの作品が展示された第28回東京私立小学校児童作品展「ほら できたよ」を鑑賞された。

 4日午前は愛子さまの授業参観のため、ご夫妻で今年初めて、学習院初等科(新宿区)にお出ましに。理科、算数、図工の授業をご覧になった。6日にはお住まいの東宮御所で、皇太子さまと国連難民高等弁務官、グテーレス氏を約30分間ご接見。難民問題の現状、弁務官事務所の活動状況などについて説明をお受けになったという。8日にも東宮御所で、峰久幸義・前復興庁事務次官からの説明を皇太子さまと受けられた。

 2日の公演は、岩手の民俗芸能を紹介した6月の公演(I)に続くもので、午後4時前に到着したご夫妻は宮城・石巻で約600年間演じられてきたとされる「雄勝法印神楽(おがつほういんかぐら)」を30分の休憩時間を挟み、約2時間にわたって鑑賞された。

 600年の歴史があるとされる雄勝法印神楽は、険しい山々で修行する修験者が加持祈祷の手段として演じてきたもので、神話をもとに構成。荘厳な雰囲気の中にも、コントのような方言の掛け合いや、アクロバティックな動きなどさまざまな見どころがあり、ご夫妻はオペラグラスを使いながら熱心に鑑賞し、時折笑顔を見せられた。

終了後にご夫妻は、出発前の休憩時間を使って約15分間、石巻市の亀山紘市長と出演者ら計18人と懇談された。亀山市長によると、雅子さまは「すばらしい神楽でした」と感想を述べ、舞台に登場した赤ちゃんについて「雄勝から連れてきたんですか」と尋ねられたという。

 公演資料によると、雄勝では津波による甚大な被害を受け、神楽に使う用具がすべて流されたが、震災後2カ月もたたない平成23年5月の連休中に無事だった会員が集まり、再開を決めたのだという。ご夫妻は復興状況に強い関心を示し、雅子さまは「亡くなられた方はいらっしゃるんですか」「大変な中で神楽を練習されたんですか」と話し、「頑張ってください」と励まされたという。

 当初は皇太子さまお1人の予定だったが、雅子さまも体調を勘案して同行された。宮内庁東宮職によると、市長らとの懇談も事前に決まっていたわけではないという。

 雅子さまが、皇室関連の施設以外で宮内庁が発表する公的な活動に臨まれたのは、国立劇場で雅楽の公演を鑑賞された昨年10月1日以来、約4カ月ぶりとなった。

 療養中の雅子さまが最近、多様な活動をされていることについて、宮内庁の小町恭士東宮大夫は8日の定例会見で、「先週から行事が続かれてお疲れではないかとご案じしておりますけど、幸いそのような行事にもお出ましできるご体調だったので、私としてはうれしく思っております。妃殿下もご出席になれてうれしく思われているご様子でした」と述べた。

 なお、小町氏はこの会見の質疑応答の前に、「小町氏が知人に辞意を漏らした」とする内容の「週刊文春」2月14日号の記事に自ら言及し、「事実ではございませんので、改めて申し上げておきたいと思います」と述べた。記事広告では小町氏の写真とともに、「『雅子さまとこれほど会話がないとは…』東宮大夫苦悩告白『もう辞めたい』」とする大きな見出しがつけられていた。

各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 秋篠宮さまは3日、昨年10月に死去したカンボジアのシアヌーク前国王の葬儀に参列するため、成田発の民間機で出発、バンコク経由でプノンペンに入られた。秋篠宮さまは4日にプノンペンの王宮北側に設けられた火葬場での火葬式典に参列し、王宮でシハモニ国王とモニク妃を弔問、天皇陛下のお悔やみの言葉を伝えられた。5日に帰国された。

 秋篠宮さまは6、7の両日、東京大学農学部(文京区)で、総裁を務める山階鳥類研究所の研究成果発表会や会議に臨まれた。

 寛仁親王家の長女、彬子さまは4日、英国大使公邸(千代田区)で開かれた「日本アジア協会年次総会」で特別講演をされた。皇太子さまが聴講された。高円宮妃久子さま、長女の承子さまも臨まれた。

 久子さまは5日、日本スペイン協会(新宿区)で「日本スペイン協会新春のつどい」に出席された。7日から8日にかけては兵庫県をご訪問。「第8回日本バイオベンチャー大賞贈賞式」に臨まれた。

 久子さまと承子さまは6日、皇居・宮殿で両陛下と駐日外国大使夫妻との午餐に陪席された。




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民俗芸能「雄勝法印神楽」を鑑賞に訪れられた皇太子同妃両殿下=2日夕、東京都千代田区の国立劇場



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カンボジアの首都プノンペンの首相府でフン・セン首相と会談される秋篠宮殿下=4日(代表撮影・共同)


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葉山御用邸裏の海岸を散策される天皇、皇后両陛下。この日は風が強く、皇后陛下は、陛下の髪形にも気を配られているように見えた=7日午後、神奈川県葉山町(小野淳一撮影)