両陛下と皇族方のお歌。
天皇、皇后両陛下と皇族方のお歌
(仮名遣い、ルビは原文のまま)。
御製
万座毛(まんざもう)に昔をしのび巡り行けば彼方恩納(あがたおんな)岳さやに立ちたり
皇后陛下御歌
天地(あめつち)にきざし来たれるものありて君が春野に立たす日近し
皇太子殿下
幾人の巣立てる子らを見守りし大公孫樹の木は学び舎に立つ
皇太子妃殿下
十一年前吾子の生れたる師走の夜立待ち月はあかく照りたり
文仁親王殿下
立山にて姿を見たる雷鳥の穏やかな様に心和めり
文仁親王妃紀子殿下
凛として立つ園児らの歌ごゑは冬日の部屋にあかるくひびく
正仁親王妃華子殿下
蕗のたう竹籠もちて摘みゆけばわが手の平に香り立ちきぬ
崇仁親王妃百合子殿下
俄かにも雲立ち渡る山なみのをちに光れりつよき稻妻
憲仁親王妃久子殿下
冬晴れの雲なき空にそびえ立つ雪の大山いともさやけき
承子女王殿下
立ちどまり募金箱へと背伸びする小さな君の大きな気持
典子女王殿下
庭すみにひそやかに立つ寒椿朝のひかりに花の色濃く
絢子女王殿下
冴えわたる冬晴れの朝畦道にきらきら光る霜柱立つ