まず大型補正予算案
安倍晋三政権は7日から本格始動する。政府・与党はまず、緊急経済対策を反映させた10兆円規模の平成24年度補正予算案編成を急ぎ、引き続き25年度予算案の編成、税制改正の作業を進める。切れ目のない予算措置を行い「経済再生へのロケットスタートを切りたい」(安倍首相)考えだ。
自民党は年末年始の休日を返上し、水面下で関係府省と予算関連の調整作業を進めていた。7日から政調の各部会を開き、最終調整に入る。8日には与党政策責任者会議を開き、公明党との調整も進める。
補正予算案では、東日本大震災の復興関連、老朽化したインフラ整備など緊急性の高い事業を優先事項にする。11日に政府が発表する予定の緊急経済対策を踏まえて15日に閣議決定、2月中旬の成立を目指す。
25年度予算案は、5月の大型連休前後に成立させる日程を描く。財源について麻生太郎財務相は6日、NHK番組で、民主党政権が国債発行額を44兆円以下に抑えるとしたフレームにこだわらない考えを示した。
税制改正で自民党は7日に開く税制調査会総会で、今月下旬の税制改正大綱の決定に向けた議論を本格的にスタートさせる。
安倍首相、君が代斉唱
自民党の仕事始めの会合であいさつする安倍首相=7日午前、東京・永田町の党本部
自民党は7日午前、仕事始めの会合を党本部で開いた。安倍晋三首相(自民党総裁)は「まずは経済を再生せよとの国民の声に結果で応えたい」と述べ、平成24年度補正予算案の編成を急ぐ考えを示した。昼には公明党と安倍政権発足後初の政府与党連絡会議を首相官邸で開催し、連立政権が本格始動する。
首相は仕事始めで君が代を斉唱した後、「仕事始めにしっかり君が代を斉唱する政党に政権が移り、まさに日本を取り戻す第一歩を踏みしめることができた」とあいさつ。石破茂幹事長は「今夏の参院選は昨年の衆院選と同じ緊張感で臨み、安倍政権を盤石にしたい」と述べ、参院選勝利に向け結束を求めた。
この後首相は内閣府で、経済政策の新たな司令塔となる「日本経済再生本部」の事務局の看板掛けに立ち会った。
政府与党連絡会議は前の自公政権時代、政権運営の基本方針や重要政策、国会運営を協議する場として活用され、政権復帰に伴い復活。首相や菅義偉官房長官のほか、公明党の山口那津男代表ら自公両党の幹部が出席し、予算編成や月末召集で調整する通常国会について意見交換する。