2012年12月31日(月)付朝日新聞:天声人語。
オランダに長く暮らすモーレンカンプふゆこさんから、句集『風鈴白夜(ふうりんびゃくや)』(冬花〈とうか〉社)をいただいた。かつて小欄で、遠き日本を思う〈手の中に団栗(どんぐり)という故国あり〉を引いた作家だ。趣を異にする句が目に留まった。〈寒灯下(かんとうか)曲がってしまった曲(まが)り角〉
▼仕事帰りの石畳、ふと街灯の下に佇(たたず)み、輝く粉雪を仰いでの詠である。寒灯とは、身も心も凍る夜、灯(ともしび)までが寒々しい様をいう。異国で離婚し、身の振り方を思案していた作者は、その凜々(りり)しさに背を押されたという。
▼人生の岐路や曲がり角は、通り過ぎて分かることがある。それは出会いであり、別れであり、回想の森で行き着く誰かの言葉かもしれない。時代にも曲がり角らしきものがあるが、こちらはさらに漠としている。
▼開国や敗戦といった節目はさておき、世相は緩いカーブを描いて変容する。例えれば、巨大な円周上を走る車だろうか。直線に見える道はどちらかに曲がっていて、半周すると鼻先は逆の方角を向く。鳥の目がとらえる現実だ。
▼2012年、隣国との仲はこじれ、民主党は愛想を尽かされた。国防軍を公約に掲げた自民党が政権に戻って、衆院の9割が改憲派となった。原発や公共事業の方針転換を見るにつけ、車窓からもそれと分かる急カーブである。
▼この冬の曲がりっぷりは後の歴史家が検証するとして、昭和の苦い経験は、最後に国を救うのはアクセルではなくブレーキだと教えている。ゆく年のご愛読に感謝しながら、鳥の目を凝らしておきたい。
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おまいらの目がまがっとんねん。笑っ。
吟遊詩人にでもなったつもりか?
アホが書き、アホが売って、アホが読み、目が悪くなる朝日新聞。