【皇室ウイークリー】(251) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員一層奮励努力。 

東京競馬場の観客に手を振られる天皇、皇后両陛下=10月28日、東京都府中市(佐藤雄彦撮影)




デムーロ騎手の敬意。

雅子妃殿下、青学大で「恩師」と再会される。




東京競馬場(東京都府中市)で10月28日、「秋の天皇賞」が行われ、天皇、皇后両陛下が観戦された。

 宮内庁とJRAによると、陛下の即位後、両陛下で競馬に足を運ばれたのは平成17年秋の天皇賞以来、7年ぶり2回目。皇太子・同妃時代を含めると、天皇賞は3回目、競馬自体のご観戦は4回目だった。今年は文久2(1862)年に横浜で洋式の競馬が開催されてから150年の節目を迎えるため、天皇賞を両陛下で観戦されることになったという。

 玄関では、天皇賞に出走する馬に騎乗する武豊、横山典弘の両騎手が出迎えた。武騎手は日本騎手クラブ会長、横山騎手は日本騎手クラブの関東支部長を務めているためだという。陛下はレースについては触れず、2人に「ご苦労さまです」と声をかけられた。

 場内には7万人を超える観客が集まっており、両陛下が貴賓室に到着し、そのお姿が場内に映し出されると、大きな声援と拍手が広がった。

 案内役を務めたJRAの理事長によると、陛下は観戦中、「以前はどこに競馬場があったんでしょうか」と質問をされた。「スタートなのに馬が入っていないのはなぜでしょうか」と、出走直前に馬をゲートに入れる方式についても尋ねられたという。

 レースは5番人気のエイシンフラッシュがトップで、7年ぶりの「天覧競馬」は、日本人ではなく、イタリア出身のデムーロ騎手が制すという結果に。18頭中、外国人ジョッキーはデムーロ騎手を含め3人だった。

デムーロ騎手はウイニングランをして貴賓室の下までくると、馬から下り、片ひざをついて両陛下に向かって一礼。双眼鏡をのぞきながら観戦していた両陛下は、立ち上がって拍手を送られた。

 ちなみに、JRAによると、レースに出るジョッキーは指示を受けたタイミングで馬に乗り降りするルールになっており、今回の天覧競馬で1位になった騎手は、平成17年の天覧競馬をヘヴンリーロマンスで制した松永幹夫騎手のように、馬上からヘルメットを取り、両陛下に礼をするのではないかといわれていた。このようなルールがあるのは、決められた重量で馬に乗ることになっている騎手の不正が疑われないようにするためだという。

 産経新聞をはじめ、各種メディアで大々的に報じられたデムーロ騎手の行為は、実は“ルール違反”の疑いがあったことになるが、競馬ファンらにはおおむね好意的に受け止められたようで、最上級の敬意を示した親日家の外国人騎手に、興奮冷めやらぬスタンドからは火がついたように大喝采(かっさい)があがった。JRAでも、特に今回の行為について罰則などは科していないという。

 ちなみに、両陛下を迎えた武騎手(サダムパテック)は8着、横山騎手(フェデラリスト)は15着だった。

天皇賞直前に両陛下は、福島県相馬地方に伝わる「相馬野馬追」や、岩手県の「チャグチャグ馬コ」など、馬を使った伝統芸能の行進もご覧に。お帰りの際には、出演した人たちに「大変でしたね」などと話しかけ、福島、岩手の被災地の様子を気にかけられていた。

 

 両陛下は10月29日、皇居・御所でのお茶に、来日公演中の世界的オペラ歌手、エディタ・グルベローヴァさん(65)をお招きになった。世界トップクラスの美声と技巧を持つソプラノ歌手と、どんなお話をされたかは分からないが、側近によると、部屋の外に美しい歌声が漏れ聞こえたという。お茶の席では、ささやかでありながら、世界一の“ミニ音楽会”が行われるシーンもあったのかもしれない。

 グルベローヴァさんは旧チェコスロバキア(現スロバキア)のブラチスラバ生まれで、1968年にデビュー。数々の栄誉ある賞を受賞し、日本でも1980年の初来日以来、熱烈なファンを増やし続けてきた。しかし、最近、引退宣言をし、今回の来日で行われている「アンナ・ボレーナ」が、日本最後の公演となる。

 両陛下は、そんなグルベローヴァさんと、音楽の話をされたという。お会いになったのは初めてだが、陛下がチェロ、皇后さまがピアノの奏者として音楽を大切にされてきたこともあり、楽しいひとときとなったのではないだろうか。


 皇太子さまは10月27、28の両日に「第27回国民文化祭」で徳島県、同30、31日に「第15回全国農業担い手サミット」のため秋田県をそれぞれご訪問。忙しい1週間を過ごされた。

 皇太子妃雅子さまは同29日、青山学院大学(東京都渋谷区)で、同大から名誉博士号を授与された国際政治学者で英国学士院総裁、アダム・ロバーツ卿の記念講演を聴講された。

宮内庁によると、ロバーツ卿は世界的に著名な学者で、雅子さまがご成婚前にオックスフォード大大学院に留学されていた当時は、教授として在籍していた。

 

 雅子さまは、専攻していた国際関係論の主任教授として、また、在籍していたべーリオールコレッジで教えを受けられており、いわば“恩師”。「ジャン=ジャック・ルソーと国際関係」というテーマで、英語で行われた講演に、雅子さまは熱心に耳を傾けられたという。

 皇太子ご夫妻の長女、敬宮(としのみや)愛子さまが通われる学習院初等科は10月31日から入試休みに入った。宮内庁によると、愛子さまは1日、学習院女子大で行われている英語研修に参加された。



 各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 

 秋篠宮ご夫妻は10月31日、東京都千代田区の東京会館で、地球環境問題の解決のために業績を残した人や団体を表彰する「ブループラネット賞」の平成24年度表彰式典などに臨席された。

 秋篠宮さまは11月1日、宮邸で、10月に宮崎市を訪問して、臨席した日本動物園水族館協会の「第60回動物園技術者研究会」について、市長から報告を受けられた。また、同日には、客員教授を務める東京農業大学の世田谷キャンパス(東京都世田谷区)で講義をされた。

 秋篠宮妃紀子さまは10月29日、国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区)で、日本とASEAN各国の青年が議論する国際交流事業「日本・ASEANユースリーダーズサミット」に臨席された。

 常陸宮ご夫妻は同30日、憲政記念館(千代田区)で「第53回海外日系人大会歓迎交流会」にご臨席。11月2日には、東京会館で大日本蚕糸会の「平成24年度蚕糸功労者表彰式」と「創立120周年記念式典」に臨まれた。

常陸宮妃華子さまは10月27日、ホテルニューオータニ東京(千代田区)で、日韓・韓日女性親善協会の「創立35周年記念式典」などにご臨席。11月1日には東京プリンスホテル(港区)で日本・ラテンアメリカ婦人協会主催のチャリティーバザー「フェスティバル・ラティノアメリカーノ」に臨まれた。

 高円宮妃久子さまは10月27~28日、福島県を訪問し、郡山市などで行われた地域伝統芸能全国大会福島大会「ふるさとの祭り2012」をご覧になり、同29日には、東京国立博物館(台東区)が140周年で行う高円宮殿下十年式年祭記念特別陳列「根付 高円宮コレクション」の開会式典と内覧会に臨まれた。

 同30、31日には沖縄県を訪問し、天皇賜杯第67回全日本軟式野球大会の閉会式などに臨まれた。11月1、2日には石川県を訪問し、金沢市で「平成24年度全国食生活改善大会」と「第43回全国食生活改善推進員団体連絡協議会大会」に臨席された。