【中国の本性】歴史捏造も平気
「日本人と中国人の違いは何か?」と尋ねられたら、「『誠』と『詐』の1字の違いに尽きる」と私は迷わず即答する。
日本では、古事記、日本書紀の時代から「清き赤き心」が重んじられ、近代になり「誠」「至誠」が日本人の座右の銘となった。一方、中国では古代から「詐道(だますこと)」が身を守る条件であった。
中国最古の歴史書といわれる「尚書(しょうしょ)」(書経=しょきょう)についても、2000年以上前から「古文」か「今文(きんぶん)」か真偽をめぐる論争が続いてきた。中国史も嘘だらけで、近代には、その真偽を考証する「考証学」と「弁偽学」が発達し、今日でも「すべてが嘘、詐欺師のみが本物」ということわざがある。
江戸時代の国学者は、「和心と唐心の違いは真心と虚言の違いだ」と説いている。アメリカ人伝教師のアーサー・スミスをはじめ、西洋人が記した中国見聞記で、中国人の民族性として「嘘つき」が取り上げられないことはほとんどない。
そもそも、中国人社会はすべてが政治の社会である。文化もスポーツも歴史も政治である。日本では歴史学科は文学部に属するが、中国の大学では政治学部に属する。中国人は歴史の真実よりも、大河小説の面白さに興味がある。歴史書の「三国志」は専門家しか読まないが、大河小説の「三国志演義」は人気が高く、毛沢東でさえ何度も読んだと語っている。
戦後、「南京大虐殺」の創作がヒットしてから、「三光作戦」「七三一部隊」「万人坑」など反日創作を次から次へと出したが、失敗作も少なくない。自作自演の「黄河大決壊」や「田中上奏文」が一例である。
中国の贋作文化は数千年の歴史を誇り、国内では通用しても、すぐばれる。文革中に「人民日報」に掲載された毛沢東の水泳の偽写真は有名だ。波が逆方向で、致命傷はスピードがオリンピック記録の倍になるため見破られた。
尖閣領有の論拠として持ち出した「西太后が薬草を採集させるため、主治医の盛宣懐(せい・せんかい)に尖閣を下賜した」とする詔書も、近代中国語が多く入っており偽造がすぐばれた。
それでも、中国は次から次へとあらゆる場を利用して、嘘を国際社会に発信する。
中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相は先月末、ニューヨークでの国連総会で「(日本が尖閣を)盗んだ」と公然と主張。米紙「ニューヨーク・タイムズ」と「ワシントン・ポスト」には、「尖閣は中国領」という広告が掲載された。
日清戦争後、日本と清国の間で結ばれた下関条約で明文化された「台湾の永久割譲」(第2条)も、中国はカイロ宣言で「日本が盗んだ」と記し、同条約の「朝鮮独立」(第1条)も、「日本の支配下に置く」と書き換えた。これらは中国人の「嘘つき」の民族性を示す好例である。
■黄文雄(こう・ぶんゆう) 文明史家、評論家。1938年、台湾生まれ。64年、留学のため来日し、早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院西洋経済史学修士。現在、拓殖大学日本文化研究所客員教授。1994年、巫永福文明評論賞。著書に「日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか」(徳間書店)、「中国人が死んでも認めない捏造だらけの中国史」(産経新聞出版)など。