【皇室ウイークリー】(247) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










宮中晩餐会で陛下がお言葉中断…その理由は?
雅子さま、3件のご活動。




ぎふ清流国体の開会式出席のため、9月28日に岐阜県に入られた天皇、皇后両陛下は翌29日、岐阜市に8月1日にオープンしたばかりの長良川鵜飼伝承館を訪問された。長良川では皇室の保護のもと、宮内庁式部職鵜匠が御料鵜飼を行っている。

 両陛下は、長良川の鵜飼の歴史を紹介した映像をご覧になった。陛下は明治43年に獲れたという全長約30センチのアユの標本を見て、「こういう大きいのはなかなかないんですか」と質問された。伊勢湾台風(昭和34年)以降、アユの大きさが平均25~28センチくらいになったと聞くと、「地形が変わったんでしょうね」と答えられた。

 また、皇室と鵜飼の歴史について紹介したコーナーもあり、昭和45年に両陛下が皇太子さま、秋篠宮さまと鵜飼を見学されている写真が展示されているのを見ると、皇后さまは「小そうございますね」とほほえまれた。

 午後からは、岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で開かれた「第67回国民体育大会(ぎふ清流国体)」の総合開会式に出席された。

 式典前には俳優の伊藤英明さんのナレーションが流れ、和太鼓や新体操、マーチングバンドなどさまざまな演技が披露された。終盤には歌手の由紀さおりさんが船の中から登場し「ふるさと」を熱唱。「みなさんもご一緒に歌ってください」と促すと、皇后さまも一緒に歌われていた。両陛下は、さまざまな仕掛けが登場するたびに笑顔で拍手を送られた。

 古田肇知事によると、両陛下は「白い衣装から青い衣装に変わったところの着想が大変おもしろいですね」「バトントワリングは大変迫力がありますね」などと話しながらご覧になった。最後には「大変すばらしい。よくこれだけ練習しましたね」と感心されていたという。

続いて式典が行われ、47都道府県の各選手団が入場。両陛下は目の前を通るたびに拍手を送って笑顔で手を振られた。炬火の点灯では、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんのほか、47年前の岐阜国体で炬火ランナーを務めた古田知事も参加。知事によると、開会式終了後に、陛下は知事に「よくやられましたね」と声をかけられたという。

 30日には岐南町でなぎなた競技を観戦された。町に入ると、歩道を埋め尽くすほどの大勢の町民が沿道で出迎えた。会場を後にする際にも大きな拍手が送られ、両陛下は手を振って応えられた。

 午後には大垣市の「奥の細道むすびの地記念館」などを訪問する予定だったが、台風17号が接近していたため、県や県警が対応に専念できるようにと、午後からの予定をすべて取りやめ、岐阜県を後にされた。新幹線の出発直前に雨が強くなり、県関係者は両陛下のお心遣いに感謝の言葉を述べていた。

 両陛下は2日、東京都文京区の豊島岡墓地を訪れ、寛仁親王殿下のお墓を拝礼された。三笠宮妃百合子さまと、寛仁親王家の次女の瑶子さまが迎えられた。

 国賓として来日しているマレーシアのアブドル・ハリム国王夫妻の歓迎行事が3日朝、皇居・宮殿前の東庭で行われ、両陛下が皇太子さま、秋篠宮ご夫妻とともに出席された。3日夜には宮殿「豊明殿」で、両陛下が主催する宮中晩餐会が行われ、親しくお言葉を交わされた。

 陛下はクウェート、ブータンから国賓を迎えた今年3月と昨年11月には体調が万全でなかったため、いずれも歓迎行事、宮中晩餐会を欠席された。一連の国賓行事にすべて臨まれたのは、22年5月にカンボジアのシハモニ国王を迎えて以来となった。

ところで、宮中晩餐会の冒頭では、陛下が国際親善のあいさつのお言葉を述べ始めてから、中断される一幕があった。

 宮内庁によると、国王が、お言葉をマレー語に翻訳した文面が置いてあることに気づかなかったためという。お言葉を日本語で述べていた陛下は、国王がただそれを聞いているだけなのに気づき、お言葉を中断。自らテーブルの上で探し、近くに置いてあった翻訳の文面を示された。陛下のお心遣いがうかがわれるシーンだった。

 両陛下は5日、ロンドンパラリンピックで入賞した選手と役員ら107人を皇居・宮殿に招き、茶会を開かれた。皇太子さまと秋篠宮ご夫妻も出席し、選手たちと和やかに懇談された。

 皇太子ご夫妻は1日夜、東京都千代田区の国立劇場で、文化庁芸術祭のオープニングイベントとして行われた「伝統音楽の美-雅楽-」を鑑賞された。

 体調を考慮し、直前に雅子さまが同行されることになったという。終了後はご夫妻で、出演した宮内庁の楽部関係者らと懇談し、お帰りの予定時間を20分以上過ぎた午後9時を回って会場を出られた。

 雅子さまは今週、このほかに人事異動者ご会釈(2日)と、米国に赴任する佐々江賢一郎新駐米大使ご接見(4日)に臨まれた。この2件はいずれもお住まいの東宮御所で行ったとはいえ、1週間に3件に臨まれるのは珍しい。

 宮内庁東宮職の小町恭士東宮大夫の5日の定例会見では、「雅子さまはご体調が上向き?」とする質問が記者から出たが、小町氏は「医者ではないので…」と慎重に回答した。佐々江氏と雅子さまは雅子さまが外務省に勤務されていた時代から親しく、約1時間のご接見後にはプライベートで佐々江氏の妻が合流。さらにお話を続けられたという。


各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 秋篠宮さまは1日、有明コロシアム(東京都江東区)で「楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップ2012」を観戦された。また、東京大学総合研究博物館(文京区)で山階鳥類研究所の関係行事に臨まれた。

 秋篠宮ご夫妻は4日、井の頭恩賜公園(東京都武蔵野市、三鷹市)で、「平成24年度全国都市緑化祭」の式典に臨席するなどされた。

 常陸宮ご夫妻は3~5日、高円宮妃久子さまと次女の典子さまは1~3日、第67回国民体育大会に臨席するため、それぞれ岐阜県を訪問された。

 久子さまは9月30日、横浜関内ホール(横浜市)で「東日本大震災復興支援公演 夢幻華紋コンサート2012~世界ウルルン音楽記~」をご鑑賞。5日、東京都美術館(東京都台東区)で「メトロポリタン美術館展 大地、海、空-4000年の美への旅」開会式に臨み、内覧された。




草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員一層奮励努力。 


            リヒテンシュタインのアロイス皇太子を出迎えられる天皇、皇后両陛下

                            =4日午後3時3分、皇居・御所(代表撮影)