拉致被害者「全て返せ」 国民の集い 茨城で訴え
日朝首脳会談から17日で10年を迎えるのを前に、拉致事件の解決を目指す「すべての拉致被害者を救出するぞ!国民の集いin茨城」(政府拉致問題対策本部など主催)が15日、水戸市の茨城県立県民文化センターで開かれた。会場が満席となる約500人が参加し、拉致被害者の早期救出を願った。
松原仁拉致問題担当相も出席し、「(北朝鮮側は)日朝関係を打開したいという10年目の節目の強い思いを持っており、交渉を行おうとしている」と指摘。「国家テロによって日本から連れ去った人間を全て帰せと強く訴えていきたい」と述べた。
横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さん(79)は「国民が救わなければという気持ちを持ち続けることが最大の力になる。引き続き関心を持って見守ってほしい」。母、早紀江さん(76)も「こんなに長く、子供たちを救い出すことができなく、憤りの中にある。今回の日朝協議は正念場。煮えたぎるような意気込みを持って、拉致被害者を取り戻すための外交を展開してもらいたい」と訴えた。
田口八重子さん=同(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(74)は「私たちにとっては毎日が節目。他力本願での解決はなく、解決への道筋を付けてほしい」と力を込めた。参加者らは童謡「故郷」を合唱し、「北朝鮮に拉致された全ての日本人を取り返すぞ」とシュプレヒコールを上げた。
拉致問題解決を訴える政府主催の集会に出席した(右から)横田早紀江さん、横田滋さん、飯塚繁雄さんら=15日午後、水戸市