都の尖閣諸島寄付口座に寄せられた金額は、あっと云う間に15億円近くまで膨らんだ。これが功を奏して、都と地権者の売買交渉が順調に進行中と聞き、寄付したわれわれは飛び上がって喜んだ。僅かな金額とは云え、お国の為に役立つことが出来た。これほど誇らしいコトはない。
その胸に湧き上がる嬉しさをぶち壊したのが野田政権だ。都の購入を断固阻止しようと、地権者との交渉に横から割り込み、国が買うとダダをこねた。寄付金をアテにして20億円もの代金を提示し、しかも必要な施設は作りますよと安請け合いした。ところがこれが嘘だった。領有権を事実上放棄し、国有化と称して寄付金をネコババしようと企んだのだ。ななな、なんて野郎だ。野田は詐欺師じゃないか。
ちょっと待て、と云いたい。無人島のまま、みすみす支那の侵略を招くような愚かな行為に、寄付したワケじゃない。政府が土地を買うなら勝手に買ってもらい、都の寄付金は当初の趣旨どおり、別途、様々な施設を建設費用に充てて欲しい。強固な実効支配こそがわれわれの望みなのだ。
石原都知事は船だまりの建設が急務と主張している。もちろん零細な漁民を守るのも大事だ。しかしせっかくなら、船だまりより、もう少し立派な港を作りたい。港には船員が集まる。そうなりゃ女もやって来る。夜の街にはネオンが輝き、嬌声が響く。惚れたあの娘と波止場を歩き、ふと見上げれば、ああ、そうだ、大きな灯台が欲しい。
夜が明ければ、美しい海に囲まれた大自然を満喫したい。ヤギを飼う牧場を散策するもよし、海岸に腰を下ろして釣り糸を垂れるもよし。そうなりゃ、海の見えるホテルも欲しい。結婚式をあげるカップルのため、小さな教会があってもいい。そうそう、冠婚葬祭とくれば、慰霊のため寺や神社が欠かせない。
もちろん、敵に対する守りだけはしっかり固めたい。海上自衛隊や海上保安庁が活躍できる基地を建設しよう。ふと思い出したが、40年以上も前に海保がヘリポートを建設した。外務省 が横槍を入れて頓挫したが、再整備すればヘリコプターの発着がすぐ可能になる筈だ。
そんなこんなで建設費用がどのくらいかかるか知らないが、とにかく実効支配には金が要る。都の尖閣寄付金はそのためにこそ使って欲しい。募金に応じた者として、ちょっと偉そうに語ってしまった。寄付額2万円じゃ云い過ぎかな?