(宮内庁発表分/12日・日)
【午後】
両陛下 富岡八幡宮ご訪問《戦災体験者と懇談、「深川八幡祭り」ご覧》
(東京都江東区)
両陛下、空襲体験者とご懇談。
天皇、皇后両陛下は終戦記念日を前にした12日、富岡八幡宮(東京都江東区)を訪れ、昭和20年3月10日の東京大空襲を経験した人たちと懇談された。
両陛下は、いずれも江東区在住で東京大空襲を経験した早川幸男さん(83)、石井清子さん(80)、宍戸芳子さん(86)の3人とご懇談。宍戸さんが「上から焼夷(しようい)弾が雨のようにバラバラ降ってきて、何とか逃げて助かりました」と話すと、陛下は「大変でしたね」と慰められた。
早川さんは堀の水の中に飛び込んで九死に一生を得たことを話し、石井さんは友人が亡くなったことなどを語った。陛下は3人に「そうした経験を伝えていくことが大切ですね」と声をかけられた。
今回、訪問した富岡八幡宮周辺は東京大空襲で大きな被害を受け、同神社には空襲後間もない3月18日に、昭和天皇が自ら足を運び被害状況を視察している。その後、「元気にやっている姿をご覧に入れたい」と、富岡八幡宮の宮司と氏子がみこしをかついで皇居・坂下門を訪れた縁があるという。
この日は江戸三大祭りの一つ「深川八幡祭り」が行われており、両陛下は富岡八幡宮近くに設けられたやぐらの上から永代通りを通るみこしをご覧になった。
両陛下は、威勢のいいかけ声をかけて練り歩くみこしの勇壮な姿に拍手を送られていた。両陛下がこうした祭りをご覧になるのは異例という。
懇談会の前に戦災体験者らとあいさつする、天皇、皇后両陛下
=12日午後、東京都江東区の富岡八幡宮(代表撮影)
練り歩く神輿を見る天皇、皇后両陛下=12日午後、東京都江東区の富岡八幡宮(代表撮影)