東京都、近く尖閣上陸申請
石原知事「東京がやるから黙って見ていろ」
尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入計画を進めている東京都が近く政府に対して上陸許可を申請する方針を固めたことが18日、都関係者への取材で分かった。地権者の意向を確認した上で申請する見通しで、これまで尖閣諸島への上陸を認めてこなかった政府の対応が焦点となる。
都関係者は「8月末までには上陸して現地調査を行いたい」としており、船や航路を詰めた上で、「申請は上陸の約1カ月前がめど」との見方を示した。
政府は地権者と賃貸借契約を結んでおり「平穏かつ安定的な維持のため」として政府関係者と地権者以外の上陸を認めてこなかった。藤村修官房長官は都から上陸申請があった場合の対応について「総合的に勘案し判断する」としている。
石原慎太郎知事は今月13日の記者会見で「(政府が)許可を下ろさない理由が分からない」と話し、これまでにも「けんか腰で行くことはない。ちゃんと申し込んで、(許可しないなら)どうして行けないんですかと聞けば、政府は立ち往生する」と語っていた。
政府は尖閣諸島の国有化方針を表明しているが、石原知事は「東京がやるから黙って見ていろ」と先行取得の構えを崩していない。その上で、「地権者の事情もあるので、都が買い取って、いつでも国に渡す」として、国有化そのものには一定の理解を示している。都が購入資金として募っている寄付はすでに約13億円を超えている。
一方、地権者の家族は政府の国有化方針に絡み、「選挙を前にしての一部政治家のパフォーマンスではないか。永続的に責任を持った対応をしていただきたい。地権者と石原知事との話し合いを静かに見守っていただきたい」との談話を発表している。