情けない対中外交。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






中国大使を切れない民主…。


草莽崛起:皇国ノ興廃此ノ一戦在リ各員一層奮励努力セヨ。大日本帝国憲法復活! 








政府は、東京都による尖閣諸島購入計画を批判した丹羽宇一郎駐中国大使を帰国させ、報告を求める異例の措置をとりながら更迭せずに帰任を許した。これでは中国への抗議の意味合いは薄く、むしろ政権の対中外交の一貫性のなさを浮き立たせただけに終わった。

 「報告と協議をします」

 15日午後、帰国した丹羽氏は成田ナンバーのタクシーで外務省に乗り付け、こう語ると足早にエレベーターに乗り込んだ。玄葉光一郎外相との面会後は硬い表情で「大臣に聞いてください」とだけ言い残し、外務省を後にした。

 一時帰国について玄葉氏は「昨今の日中情勢に鑑み、中国側の対日政策の詳細の報告を受けた」と説明したが、それならば公電で事足りる。丹羽氏に発言の真意をただすのが目的なのは明らか。あわよくば自発的な辞任を促したいとの思いも透けて見える。

 大使の帰国・召還には通常、相手国への抗議の意思を込める。平成22年11月1日にロシアのメドベージェフ大統領(当時)が北方領土・国後島を訪問した際、菅直人首相(同)が同月3日に河野雅治駐露大使を一時帰国させたのも抗議の意思表示だった。ただ、菅氏はむしろ駐露大使館の情報収集態勢を問題視し、翌年3月22日に河野氏をイタリア大使に転出させた。

 丹羽氏の一時帰国にも尖閣周辺に次々に監視船を繰り出す中国への抗議の意思を込めたようだが、すぐ帰任させては意味がない。

 しかも丹羽氏が中国に迎合するような発言をしたのは今回だけではない。尖閣国有化を模索する野田佳彦首相の方針と明らかに矛盾しており、「おとがめなし」の帰任は、「丹羽氏の発言を是とした」という誤ったメッセージを中国に送ることにもなりかねない。

 とはいえ、簡単に更迭できない事情もある。丹羽氏は岡田克也副総理が外相当時に「政治主導の象徴」として起用したからだ。更迭は「民主党外交の敗北」を認めるのに等しい。財界との関係も悪化しかねない。

 政府は夏の定期異動での「既定路線」として丹羽氏を穏便に交代させる構えだが、それでも「更迭」と受け止められるのは確実。かといって留任させれば尖閣問題はさらにこじれかねない。安易な「政治主導」のツケはあまりに大きい。

                                 (杉本康士)