大飯再稼働へ作業開始=関電
関西電力は16日、政府が大飯原発3、4号機(福井県おおい町、出力各118万キロワット)の再稼働を正式決定したことを受け、発電開始に向けた作業を開始した。同日は、運転できる状態に戻すため作業員が3号機のタービンにつながる配管の弁を開くなどの作業を行った。早ければ7月1日に原子炉を起動し、同4日に発電を始める。3号機の稼働後、4号機の作業も本格化させ、最短で同24日には2基ともフル稼働する計画だ。
大飯原発3、4号機は1年前後停止している。通常の定期検査なら停止期間は3カ月~半年程度。停止が長期化したため、配管の洗浄に時間がかかり、発電開始までの作業期間は通常より10日程度長くなる。
また関電は、原子炉の起動からフル稼働に向けた作業の過程で、原子力事業本部長をおおい町に派遣。特別な監視体制で臨む政府と協力し、安全確保に全力を尽くす。
政府は2基のフル稼働を確認した後、関電管内の節電目標について7月2日から15%としていたのを5~10%に引き下げる方針。7月上中旬は3号機だけの稼働となるが、15.7%不足とした電力需給は緩和し、計画停電の懸念はやや後退する。
ただ、八木誠関電社長は16日の記者会見で「大飯3、4号機が立ち上がるまでは需給が厳しい」と述べ、引き続き節電に向けた取り組みを呼び掛けた。
[時事通信社]