【安倍晋三の突破する政治】
中国の程永華大使から、私を含む、100人を超える与野党国会議員に「抗議文」といえる書簡が届いた。先に来日したチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相との会合に出席した議員や、東京で先週開催された「世界ウイグル会議」に出席・賛同した議員に送られたものとみられている。
その内容は驚くべきものだ。ノーベル平和賞受賞者で、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を呼び捨てにして、「『チベット独立』勢力を支持せず、舞台を提供せず、いかなる形でも接触しないことを希望する」と要求。
ウイグル代表のラビア・カーディル氏を一方的に「犯罪人」と決め付けて、「日本政府がこれ(世界ウイグル会議開催)を認めれば、中国の安定と安全利益を損なうだけでなく、日本自身の安全にも害がある」と記している。
中国は極めて戦略的な外交を展開しているが、時に、共産党の地肌が出た、荒々しく粗野で、対外的に拙劣な行動を取ることがある。
かつて、EU(欧州連合)が、中国への武器輸出禁輸を解禁しようと検討していたとき、中国は突然、ミサイルによる人工衛星爆破実験を行い、世界中に衝撃を与えた。EUは、中国の危険な側面を認識して政策を転換した。今回の中国大使による書簡も同様だ。
外交的に何の効果も挙げないどころか、送り付けられた与野党議員をはじめ、この事実を知った日本国民や他国の人々は、中国に対して強い嫌悪感を持ったと思う。
以前は、確かに違った。さまざまな歴史問題に絡んで、中国に物を言う日本の閣僚や政治家のクビが飛んだことがあった。これは、日本の一部マスコミが背後から言論の銃弾を浴びせ、世論も巻き込まれ、身内からも批判を浴びて、中国に屈するパターンだった。
最近でも、名古屋市の河村たかし市長が、同じような罠にはまりそうになった。だが、インターネットなど新たな情報伝達手段のおかげか、国民の良識ある意見がマスコミにも広がり、河村氏は難を逃れた。
日本国憲法は第21条で「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定めている。国会議員でなくとも、日本国民はチベットやウイグルに関する集会や会議に出席しても、何の問題もない。これは、日本が自由な民主主義国家である証明といえる。
さて、先ごろ訪米した拉致議連幹部が、中国国内で消息を絶った米国人留学生、デービッド・スネドン氏について、米国の上院、下院議員らと情報交換してきた。
もし、スネドン氏の行方不明事件が北朝鮮による拉致となれば、日本人拉致を含めて、拉致問題の現状が大きく変わる可能性がある。スネドン氏はユタ州出身であり、同州は、共和党大統領候補となったロムニー氏の地元。米大統領選で拉致問題が大きく取り上げられることも、十分あり得るのだ。
(自民党衆院議員)
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