外国人記者向けのテーマパーク・平壌 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









平壌で売れる高級外車 日本製品で「豊かさ」演出





【ソウル=加藤達也】


金日成主席の誕生100周年の祝祭行事が開かれた先月15日の前後、北朝鮮の平壌市内の店頭には日本製の高級車やパソコン、カメラなどの電子製品が大量に並んでいた。訪朝した日朝関係者の話で分かった。

 北朝鮮では先月中旬、朝鮮労働党代表者会(11日)で金正恩氏が党第1書記に就任したのを皮切りに権力移行を内外に誇示。金第1書記時代の到来を宣伝する行事が開かれた。

 こうした中、特権層が住む平壌市内に日本製品などの外国製品をふんだんに置くことで“豊かさ”を演出したとみられ、金第1書記に対する忠誠心向上に日本製品が利用された格好だ。

 この関係者は先月中旬に訪朝し平壌に滞在、中央報告大会(14日)などの記念行事を参観し、下旬に出国した。証言によると平壌市内のレストランや売店では、カップ入り清酒やたばこ、インスタントコーヒーなど日本製の嗜好(しこう)品が大量に陳列されていた。

 情報機器類を扱う「平壌情報センター」では、ソニーやNECなど日本メーカーの新型パソコンが展示即売。乗用車の試乗販売場も設置され、市民がトヨタのほかメルセデス・ベンツなどドイツ製高級車を買い求める姿もみられたという。

日朝間では現在、日本政府の独自制裁で禁輸措置がとられていることから、日本製品は中国経由などで持ち込まれたとみられる。

 一方、金日成広場の近隣には新築の高層アパートが相次ぎ完成。夜間には室内灯を点滅して模様を描いていたが、北朝鮮が4月15日までの完成、営業開始を目指していたとされる105階建ての「柳京ホテル」は照明が点灯せず、内装が20階前後までしか完成していないと聞いたという。

 日朝関係者は「外国人が泊まるホテルより、労働力と資材を平壌市内の特権富裕層向けのアパートに集中投入したのだろう。平壌を見る限り、市民は選ばれ、優遇されているという意識が強く、金第1書記の治世に満足しているようだ」と話した。