(宮内庁発表分/13日・日)
【午前】
両陛下 仙台市長より被災状況などご聴取(仙台市七郷市民センター)
両陛下 仙台市荒井小学校用地応急仮設住宅ご訪問
両陛下 仮設住宅町内会役員・支援者らとご懇談(同仮設住宅)
【午後】
両陛下 昼食会ご主催《地元関係者および警衛関係者》
(同市・仙台ロイヤルパークホテル)
両陛下 第14回IACIS(国際コロイド・界面科学者連盟)
国際会議開会式ご臨席(同市・仙台国際センター)
両陛下 同会議レセプションご臨席(同)
両陛下 宮城県知事、県議会議長、県警本部長からあいさつ、少時ご歓談
(JR仙台駅)
両陛下 東北新幹線でご帰京
両陛下、被災者お見舞い。仙台の仮設住宅訪問。
天皇、皇后両陛下は13日、仙台市若林区の仮設住宅を訪れ、東日本大震災の被災者にお見舞いの言葉を掛けられた。
訪問した住宅は194戸に約380人が入居。津波被害が激しかった同区の荒浜地区の住民が多い。天皇陛下は集まった住民らに「どうですか。冬はずいぶん寒くて大変だったでしょう」と声を掛けた後、約30分間、皇后さまと住宅を歩いて回った。
津波で両親と妹が亡くなったという住民の三浦洋子さん(35)は「亡くなった母が皇后さまを大好きで、今日会えたらどれだけうれしかったか」と話すと、皇后さまは「たくさんの思い出があるのね」と慰めの言葉を掛けた。続いて両陛下は、仮設住宅の集会所で町内会の役員らと懇談し、被災者の支援状況を聞いた。
両陛下は午後、仙台市内で化学分野の国際会議の開会式に出席し、帰京する。
「どうしても見舞いたい」 両陛下、被災地への思い深く。
天皇、皇后両陛下は13日、訪問先の仙台市で、東日本大震災で大きな津波被害を受けた若林区荒浜地区の住民ら約380人が身を寄せる若林区内の仮設住宅を見舞われた。宿泊を伴う地方でのご活動は半年ぶりとなった陛下は、皇后さまと約30分間、仮設住宅を歩きながら被災者に声をかけられた。
陛下は一人一人から話を聞き、「体は大丈夫ですか」「お大事にしてね」「よい学校生活を送ってください」などと語りかけられた。皇后さまは、住民の三浦洋子さん(35)から「津波で亡くなった母は皇后さまが大好きでした。母が会えたらどんなにうれしかったか」と話しかけられると、「たくさんの思い出があるのね」と慰められた。泣き崩れる女性の手を握ったり、赤ちゃんをなでたりされる場面もあった。
仮設住宅の町内会長として両陛下と懇談した大橋公雄さん(68)は「震災直後のみならず、1年以上がたち、復興の道筋が正念場を迎えるこの時期に来ていただいたことは本当にうれしい」。副会長の安達董(ただし)さん(70)は、「最初は緊張したが、懐かしい方にお会いしたような安心感を抱いた」と話した。
今回の両陛下の仙台訪問は、13日に出席した化学関係の国際会議のためだったが、1泊2日の短い日程の中で、仙台の都市部にいる被災者を訪ねられることが決まったという。
宮内庁の羽毛田信吾長官は10日の定例会見で「事務方としては、訪問がおできになる場合でも『最低限の場所だけに』と考えたこともあった」と明かしたが、陛下は一貫して「仙台に行くなら、被災者を見舞うことはどうしてもしたい」と述べられたという。
羽毛田長官は「被災者を見舞わずお帰りになる選択肢はなかったのだと思う。それぐらい被災地への思いは深かった」と説明した。
両陛下は16日から20日まで、エリザベス女王の即位60周年の記念行事出席のため、8時間の時差がある英国への公式訪問を控えられている。26日からは、全国植樹祭のため山口市を訪問する予定で、休養されることが多い土日を3週連続で東京から遠く離れた地での活動に充てられる。
仮設住宅の被災者からは陛下の健康を案じる声が相次ぎ、陛下は「ありがとう」などと応じられた。宮内庁ではご体調に細心の注意を払い、各地のご訪問に万全の態勢で臨むとしている。
仙台市若林区の仮設住宅を訪れ、東日本大震災の被災者らに手を振る天皇皇后両陛下
=13日午前、仙台市若林区(代表撮影)