(宮内庁発表分/8日・火)
【午前】
陛下 平成24年春の勲章親授式、受章者が拝謁・お礼言上(皇居・宮殿)
皇后陛下 平成24年全国赤十字大会ご臨席
(東京都渋谷区・明治神宮会館)
【午後】
陛下 春の勲章受章者が拝謁・お礼言上(宮殿)
陛下 ご執務(皇居・御所)
両陛下 秋元義孝・外務省儀典長ほかから説明お受けに
《英国ご訪問について》(御所)
皇居で大綬章親授式。
春の叙勲の大綬章親授式が8日、皇居・宮殿「松の間」で行われ、天皇陛下が外国人4人を含む10人に勲章を手渡された。式に出席したのは、旭日大綬章の堺屋太一・元経済企画庁長官(76)、大橋洋治全日空会長(72)ら。陛下は「長年それぞれの務めに精励し、国や社会のために、また人々のために尽くされてきたことを、深く感謝しております」とお言葉を述べられた。
大綬章等勲章親授式で天皇陛下から旭日大綬章を受ける堺屋太一(本名・池口小太郎)
元経済企画庁長官=2012年5月8日午前10時34分、皇居・宮殿「松の間」(代表撮影)
両陛下が英国ご訪問 「強いご希望」背景
交流140年…英国と皇室、深い関係
エリザベス女王の即位60年の午(ご)餐(さん)会出席のため、天皇、皇后両陛下が16日から英国を訪問されることになった。皇室と英国王室は歴史的に関係が深く、過去には天皇や皇族が数多く英国をご訪問。留学した皇族方も、大半が行き先に英国を選ばれている。宮内庁関係者によると、陛下の心臓手術から3カ月にもかかわらず、ご訪問が決まった背景には、皇太子時代を含めて過去7回訪英されている、陛下の「強いご意向」があったという。
▼60年前の旅
78歳の天皇陛下は、19歳だった皇太子時代の昭和28年、エリザベス女王の戴(たい)冠(かん)式に昭和天皇の名代として参列された。初めての海外旅行となられたこの旅の行程は半年あまり。英国に到着したのは、10カ国以上に立ち寄られた後だった。
陛下は約1カ月を英国で過ごし、女王と英語で会見したほか、園遊会、チャーチル首相の昼食会、競馬見物などもご体験。ウェストミンスター寺院での戴冠式には、陛下は燕(えん)尾(び)服に勲章をつけた姿で臨まれた。
昭和50年には、エリザベス女王が英国の君主としては初めて来日し、皇居の宮中晩(ばん)餐(さん)会で「(訪日は)日英両国の長い交流の歴史を象徴的に確認するものと申せましょう」とあいさつした。女王は皇太子時代の陛下のご一家がお住まいだった東宮御所も訪問。答礼晩餐会では、陛下が女王とワルツを踊られる場面もあった。
陛下はご即位後も、平成10年、19年の2回英国を訪れ、女王と交流されている。
▼先頭でご入場
宮内庁幹部は「英国は日本の皇室にとって、歴史的に特別な国」と説明する。同庁などによると、明治44年には、東(ひがし)伏(ふし)見(みの)宮(みや)依(より)仁(ひと)親王がジョージ5世の戴冠式のため訪英。大正10年には皇太子時代の昭和天皇がご訪問。昭和12年のジョージ6世の戴冠式では、出席した秩(ちち)父(ぶの)宮(みや)雍(やす)仁(ひと)親王夫妻が、各国からの参列者の先頭で入場する待遇を受けるなど、歓待を受けられてきた。
英国側からは、143年前の明治2年にビクトリア女王の次男、エディンバラ公が日本を訪問した記録がある。昭和61年のチャールズ皇太子とダイアナ妃(当時)の来日では、国内で「ダイアナ・フィーバー」が巻き起こった。
昭和50年当時に外務省儀典長として、来日したエリザベス女王を接伴した内田宏さんは「大陸のそばの島国という地理的条件をはじめ、英国王室と皇室は欧州の君主国よりも類似点が多く、国民も最も親近感を持っていたといえる。女王は昭和天皇を大変尊敬し、親近感を持っておられた。今回、陛下と女王がゆっくりお話しされることを楽しみにしている」と話す。
▼初めての洗濯
また、英国と皇室のつながりは、皇太子さまと秋篠宮さま、寛仁親王殿下が留学先に選ばれたオックスフォード大を抜きにしては語れない。皇太子妃雅子さまも、外務省に勤務していた昭和63年から平成2年にかけてご留学。寛仁さまの長女、彬子さまは「親子2代」の留学のみならず、平成22年には哲学博士の学位も取得された。高円宮妃久子さまの長女、承子さまも英国のエディンバラ大に留学されている。
水に関する諸問題をライフワークとする皇太子さまは、英国での研究がその原点となられている。著書「テムズとともに」では、英国で初めて洗濯やアイロンなどを体験したことをつづり、「おそらく私の人生にとっても最も楽しい-一時期」と振り返られた。「人生経験」の面でも、英国は皇族方に大きな影響を与えているといえそうだ。