台湾の4人受章。
断交後初の皇居での伝達式も。 春の叙勲
政府が29日付で発表した平成24年春の叙勲の受章者のうち、外国人叙勲受章者では、台湾から異例の4人の受章が発表された。東日本大震災の被災地に個人で10億円もの義援金を贈った張栄発(ちょう・えいはつ)・長栄集団(エバーグリーングループ)総裁(84)ら2人は旭日重光章を受章。5月8日に皇居で野田佳彦首相から授与される勲章伝達式に、日台断交以来初めて台湾から出席する見通しだ。
旭日重光章を受章したのは張氏と、辜濂松(こ・れんしょう)・台日商務交流協進会理事長(78)。
推薦にあたった日本の対台湾交流窓口機関、交流協会台北事務所(大使館に相当)によると、張氏は海運、造船、航空業を通じた日本経済の発展や日台関係強化で、また辜氏は日台間の経済関係強化や交流促進に寄与した。
台湾での受章は、1972年(昭和47年)の日中国交正常化に伴う日台の断交以降は途絶え、2005年春から再開。昨秋までに12人が受章しているが、一度に4人の受章は初めて。
今回は各国・地域の中で最多の米国(11人)に次ぐ人数で、昨年の東日本大震災発生以降、手厚い対日支援を展開した台湾への政府の配慮をうかがわせた。
また、従来は旭日中綬章が最高位で、台北事務所などで代表(大使)らから授与されていたが、今回の旭日重光章の2氏は皇居での伝達式の対象者で、張氏はすでに出席の意向という。
(台北 吉村剛史)