【第21回 地球環境大賞】「環境問題を考える大切な年」
本日、「第21回地球環境大賞」の授賞式にあたり、皆様とお会いできましたことを大変うれしく思います。また、このたび受賞される方々に心からお祝いを申し上げます。
近年、地球温暖化の防止や生物多様性の保全など、環境諸問題に対する人々の意識は非常に高くなってきております。
一方、この一年を振り返りますと、「東日本大震災」をはじめ、台風による豪雨災害、今月に入ってからも全国的な暴風雨など、人々の生活に大きな影響を及ぼす災害も数多くあります。地球環境に関わる問題を考えるとき、保全とともに、自然災害についての意識を一層高めつつ、人類が自然と共存していく必要性を強く感じます。
さて本年は、気候変動枠組み条約などを採択した「地球サミット」から20年の節目の年を迎えます。6月には同じリオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議」が開催され、グリーン経済などをテーマに各国首脳が世界の持続可能な開発について議論を深めると聞いており、地球環境の諸問題を考える大切な年といえましょう。
「地球サミット」の開催と同じ1992年に創設された地球環境大賞は、地球環境と共存する産業の発展、そして持続可能な循環型社会の実現を目指し、環境への負荷が少ない製品や、そのための技術を開発し、地球環境に対する社会の意識向上、そして、自然環境保全を通しての社会への貢献を図ることを目的としております。
今年で21回を数えるこの賞は、産業界から始まり、自治体、学校、そして市民グループへと表彰対象を広げながら、環境活動に熱心に取り組む人々の姿勢を広く顕彰し、環境に対する意識を高めることに貢献してきたといえましょう。今後とも日本の優れた技術や知識が地球環境の保全に貢献し、世界の発展に寄与していくことは、誠に大切なことと考えます。
終わりに、受賞者をはじめとする皆様が、今後とも率先して、積極的な取り組みを進めていかれることを期待するとともに、その活動がより一層広がり、地球が緑豊かな水の惑星として、末永く潤っていくことを願い、私のあいさつといたします。
第21回地球環境大賞授賞式でお言葉を述べられる秋篠宮さま
=24日午後、東京・元赤坂の明治記念館(大西史朗撮影)