パリ国際ランジェリー展。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










「下着のパリコレ」とも言われる「パリ国際ランジェリー展」が1月21~23日に開催された。この世界一の規模を誇る下着と部屋着の見本市に、世界中からバイヤーやプレス1万8604人が訪れ、盛況のうちに幕を閉じた。世界のランジェリートレンドをリードする同展をレポート。

■シェイプウェアはさらにバージョンアップ
 


 今、世界のランジェリー界には「シェイプウェア旋風」が吹いている。この流れは1年以上前からあったが、今展ではその進化に注目が集まった。ヨーロッパブランドの新作説明では「More sophisticate, More sexy, More innovative」という言葉がよく言われ、これまでよりさらに機能的な素材と設計の、より洗練された美しいデザインがラインアップしていた。この分野は日本のお家芸とも言えるが、機能下着といえど、「美・洗練・セクシー」を追求するプレゼンテーションには、ヨーロッパブランドならではの高いクリエーティブ力が感じられた。

■フランスらしさで存在感をアピール
 


 フランスの大手ブランドはこぞって「French」「Paris」をキーワードに打ち出した。渦に巻かれるようにグローバル化する世界の中で、フランスらしさを明確にアピールしてブランドの存在感を確立しようとしているようだ。「オーバドゥ(Aubade)」のイメージビジュアルはすべてパリの街角で撮影。エッフェル塔などが背景に収められている。「シャンテル(Chantelle)」は各コレクションに、チュイルリー、サンジェルマンなどパリの名所の名を付けた。「シモーヌ・ペレール(SIMONE PERELE)」のカタログ冒頭には「A <> WOMAN」とあり、成熟したフレンチエレガンスを表現するブランドであることを改めて発信。「マダム グレへのオマージュ」をテーマに掲げた「シャンタル・トーマス(Chantal Thomass)」も、フランスの技術力を再認識し、自国生産を計画しているという。

■ランジェリーで夢の世界へ誘って……
 

 

 取材時に、シーズンコンセプトの説明とともに見る機会の多いイメージビジュアル。シェイプウェアの話題が多かった反動か、まるで映画のワンシーンのようなロマンチックな写真に心を奪われた。日本だけでなく、ヨーロッパでも気掛かりな出来事が多い今日、すてきなランジェリーを身に着けて心を癒して――と言わんばかりだ。ランジェリーは人目に触れなくても、女性の心を和ませたり、高揚させたりする不思議なチカラを秘めている。時には、スペシャルなランジェリーをまとって夢の世界に誘われてみては。

                           (c)senken h / text:川原好恵