東京都の公立学校で行われた今年度の卒業式で、校長からの職務命令があったにもかかわらず、国歌斉唱時に起立しなかったとして、都教育委員会は29日、都立高の教員1人、特別支援学校2校の教員2人の計3人を戒告とする懲戒処分を行った。
都教委によると、3人はいずれも過去に起立しなかったとして、懲戒処分を受けたことがあるという。都教委の懲戒処分はこれまで、不起立の1回目は戒告、それ以降は減給、停職などとなるケースが多かったが、「減給以上の選択に慎重な考慮が必要となる」などとした1月の最高裁判決を踏まえたかたちだ。
処分を受けた3人は再発防止のため、国旗掲揚や国歌斉唱の意義と教育者としての責務などについて、入学式までに研修を受ける。
都教委の木村孟委員長は「一部の学校で職務命令に従わず国歌斉唱時に起立斉唱しなかった教員が出たことは誠に遺憾。今後も職務命令違反については最高裁判決の趣旨に基づいて厳正に対処していく」とのコメントを発表した。
都教委によると昨年の卒業式では6人が処分されていた。