執念のICBM。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






【朝鮮半島ウオッチ】

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120325/kor12032507010000-n1.htm





金正恩氏が打ち上げる

「光明星3号」は金正日の執念がこもったICBM






 26日に韓国の首都ソウルで始まる核安保サミットでは、北朝鮮のミサイル発射抑止が最大のテーマだ。今回の「人工衛星」が1998、2006、09年年と発射してきた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の技術革新の試射であることは疑いない。打ち上げ場として初めて使われる東倉里基地はICBM用で、米フロリダ州のケネディ宇宙基地によく似たシステムであることがわかっている。ICBMの完成は故金正日総書記の執念。その完成は秒読み段階に入った。日米韓に対抗策はあるのか。


                                   (久保田るり子)



■東倉里から初試射の意味は

 


 東倉里基地は中朝国境に近い北朝鮮北西部の平安北道鉄山郡にあり、北朝鮮は「西海衛星発射場」と呼んでいる。

 欧州の軍事情報メディアがその存在を偵察衛星などで明らかにしたのは5年前で、建設開始は2000年ごろ。すでに05年から一部は稼働しているという。韓国の李相熹国防長官が08年に韓国国会で「長距離ミサイルや人工衛星打ち上げのできる基地」と述べている。

 これまでの情報を総合すると、発射台は高さ50メートル以上で、弾道ミサイル、テポドンが打ち上げられた北東部にある舞水端里の発射台(30メートル)を大きく上回る。燃料供給装置が地下にあるため、燃料注入が始まっても米偵察衛星は捕捉できない。また、発射統制センターなど電子化された近代的な施設があり、米ケネディ宇宙センターに似ているとされる。

韓国紙は、韓国情報筋の話として同基地の特徴を、(1)中朝国境に近いため有事に米韓軍が空襲することが困難(2)寧辺の核施設から70キロと近いため、寧辺で核弾頭が完成した場合、運搬や装着に関して時間と労力が短縮できる-などと指摘している。



■「光明星」は故金正日氏の執念の星

 


 日本の軍事専門家によると「舞水端里からの発射より(地球の自転などの関係から)高く飛ばすことができる。従って日本などの領空侵犯や周辺海域への破片の落下も少ない。北朝鮮からのレーダー追跡も比較的容易な位置」という。

 09年のテポドン2号(射程6700キロ)発射の際、一部のミサイルが東倉里に運ばれ、同基地からの発射準備の兆候があった。結局、東倉里からは打ち上げず、舞水端里からの発射となったが、東倉里ではすでに何度かICBM級ミサイルのエンジン燃焼実験が行われている。

 「光明星」とは金正日総書記を指し、その死後は金総書記の誕生日が「光明星節」となったのは知られている。総書記の名を持つミサイル(人工衛星)は、米国を射程に収めることで米国からの安全保障を取り付け、米朝国交正常化を果たし、米国から経済支援を獲得し、在韓米軍は撤退させる-との北朝鮮のシナリオが込められた“執念のミサイル”ともいえる。

ゲーツ前米国防長官は10年に「北朝鮮のICBMは5年以内に完成する可能性がある」と述べており、技術革新が伸長していることを認めている。

 09年の着水地点は約3200キロだった。今回の試射では、グアム島に届く約4000キロ以上を目指すとみられる。

 軍事専門家は「東倉里を使う理由は一つしかない。09年より長い射程のミサイルを撃つということだ」と述べる。



■北ミサイルが関係国にもたらす政治的効果

 


 ICBM級「光明星3号」発射の強行は、北朝鮮国内の綱紀粛正効果をもたらすだろう。また、対外関係では米朝関係と南北関係に政治効果を及ぼすことが予測される。

 発射を予告した北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」の主張を取り下げる可能性はゼロとみられ、国際機関に通告した北朝鮮は「国家の自主権」を盾に対北非難をする国際社会を批判するだろう。

 米国は2月末の米朝合意違反、国連決議1874違反と北朝鮮を非難することは必至で、各国と協調し、再び国連安保理に付託する可能性が高い。この場合、米朝関係は今秋の米大統領選まで凍結状態になる可能性がある。

 関係国は06年、09年の経験を踏まえ、ミサイル発射の1カ月半から3カ月後に行われた核実験を強く警戒することになる。こうした情勢を迎えることは、誕生から間もない金正恩新体制からみれば、緊張感を高めることで国内の引き締めに格好の機会になる。

 南北関係への政治効果も小さくない。韓国は4月11日に総選挙で与野党が激突、その後は12月の大統領選に向け、政治色一色となる。そうした韓国にとって北朝鮮の作り出す「戦争ムード」は、次期大統領候補の対北政策に影響を及ぼすからだ。韓国の次期政権に「緊張より対話」を促す契機にもなり得る。韓国側のいう「北朝鮮の大統領選への介入」である。

 国際社会が注目するのは「光明星3号」発射に対する中国の対応だ。北朝鮮の衛星発射予告には批判の姿勢を強調した中国政府だが、エスカレートする金正恩体制の強硬路線をどう牽制(けんせい)するのか。そのホンネが表れるだろう。


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