【皇室ウイークリー】(222) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










皇太子ご一家も御所訪問のご意向。

訪仏お取りやめ「8日前」の理由は?






 心臓の冠動脈バイパス手術を受けた天皇陛下は4日、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)から退院し、お住まいの皇居・御所に16日ぶりに戻られた。この日は秋篠宮ご夫妻と長男の悠仁さま、両陛下の長女の黒田清子さんが訪問して退院を祝われた。5日夜にも秋篠宮ご夫妻が御所を訪れ、両陛下と夕食をともにされたという。

 一方、皇太子ご夫妻についても、陛下のご退院直後に、陛下のよろしい時期に、ご夫妻と敬宮愛子さまの3人で御所を訪問したいという意向を伝えられたという。宮内庁の小町恭士東宮大夫が9日の定例会見で明らかにした。これまでご一家でのご訪問は実現していないが、小町氏によると、ご退院当日の4日には、愛子さまが手作りしたカードを添え、御所に花を届けられたという。

 このように退院の祝福を受けていた陛下だが、6日夜になると、手術の合併症が期待通りに解消されず、歩くだけでも息苦しさを感じているため、再び「治療」をされるという発表が飛び込んだ。

 こうした症状の原因になるとされる、両胸にたまった水(胸水)がやや増えていることが分かったというもので、針を刺して右胸の水を抜く治療が7日午前に宮内庁病院で行われた。水の量は明らかにされていない。

 宮内庁の羽毛田信吾長官は8日の定例会見で、7、8の両日に御所を訪れたところ、「陛下は辛そうではなく、穏やかなご様子だった」と説明。医師から聞いた話として、「食欲が少し戻られており、全体的に良い方向」とした。

別の側近も8日、「症状は若干残っているような感じもしたが、御所では階段を普通に歩かれていた」とご様子を話し、「陛下が『少し楽になった』とおっしゃったように聞いた」とも明かした。

 退院1週間後の11日に行われる、東日本大震災1年の追悼式への出席について、宮内庁は9日、両陛下でのご出席を決めた。ただし、処置をしていない左胸にはまだ相当量の水があり、当日までに何らかの症状悪化が見られた場合は、欠席されることもあるという。

 宮内庁東宮職は5日、フランス・マルセイユで開かれる「第6回世界水フォーラム」への出席を、皇太子さまが見送られると発表した。陛下の国事行為臨時代行の職務に専念されるためとしている。東宮職によると、皇太子さまは予定していた基調講演を簡潔にまとめたビデオメッセージを用意されたという。ビデオはフォーラムで上映される予定だ。

 フォーラムは水に関する世界の問題を取り上げる国際会議。東宮職は皇太子さまが出席を検討されていることを2月9日に発表しており、支障がなければ3月13日からの日程で行かれる予定だった。

 出発予定日の8日前に行くか行かないかが公表される、というのは、皇室の方々の海外訪問ではかなり遅いタイミングだ。羽毛田長官は8日の会見で、決定に至るまでには、入院中だった陛下に、皇太子さまからお話しされる段取りがあったことを明らかにした。
小町東宮大夫も9日の定例会見で、皇太子さまの外国旅行の際には陛下の了承が必要で、今回の訪仏については、すでに了承を受けていたが、改めて取りやめについてのご了承を受けられる必要があったと説明した。

 皇后さまは9日、板橋区立美術館(東京都板橋区)で開催中の「安野光雅の絵本展」をご覧になった。安野さんは皇后さまの著書4冊を装丁しており、同展では、このうち『橋をかける』『バーゼルより』『どうぶつたち』の表紙原画(宮内庁所蔵)が特別展示されている。

 この日は朝から雨だったが、美術館前には、皇后さまを歓迎しようと多数の人が集まった。最前列には「昨年、8月8日の『都営成増団地“東日本大震災避難者”へのお見舞い』ありがとうございました」と書かれた横断幕が掲げられた。東日本大震災のため、同区内の成増団地に避難している人々で、皇后さまは横断幕を見ると真っ先に歩み寄り、「お身体を大事にね」「もうすぐ暖かくなりますからね」などと声をかけられたという。

 皇太子さまは9日、皇居・御所を訪れ、療養中の陛下に、国事行為臨時代行などで務めた公務について報告された。小町東宮大夫によると、陛下から皇太子さまに「代行の務めご苦労」という趣旨の労いのお言葉があったという。皇太子さまは御所で両陛下と昼食を共にされた。前述したように、皇太子さまはご一家で御所を訪れる意向をお持ちというが、この日は目的が公務の報告だったこともあり、雅子さまや愛子さまは同行されなかった。

秋篠宮ご夫妻と長女の眞子さまは9日、東京都立中央図書館(東京都港区)で、「震災からよみがえった東北の文化財展」を鑑賞された。会場には東日本大震災で被災し救出・修復された岩手、宮城、福島3県の文化財などが展示されている。

 眞子さまは被災地の文化について関心を持っており、昨年9月には、ご夫妻とともに国立劇場(東京都千代田区)で開催された「文化による復興支援」シンポジウムに臨席された。

 このシンポジウムについて眞子さまは20歳の誕生日会見で「地域に根ざす文化を継承保存していくことが、震災の復興に寄与するということが、理解できました。私自身も、今後何らかの形で携わっていきたいと思っております」と述べられている。

 さて、皇居・東御苑にある三の丸尚蔵館では3日から、皇后陛下喜寿記念特別展「紅葉山(もみじやま)御養蚕所と正倉院裂(ぎれ)復元のその後」と題した展覧会が開かれている。

 明治以降の皇后に引き継がれている皇室の伝統文化「ご養蚕」をテーマに、ご養蚕に関係する品々や、皇后さまが育てられている日本純産種の蚕「小石丸」の絹糸によって復元された、正倉院宝物の染織品などが展示されている。

 今週のウイークリーでは同展の図録に注目したい。皇后さまが眞子さまに宛てた手紙が紹介されているのだ。皇后さまがお孫さまに書かれた手紙が公表されるのは極めて珍しい。

 図録によると、眞子さまが学習院初等科3年生のとき、お年寄りの世代がかつて行っていた手仕事について調べる宿題があり、眞子さまが皇后さまに、ご養蚕のお仕事につき伺わせていただけるでしょうか、と依頼されたことに対し、皇后さまが手紙で回答されたのだという。

 手紙の中で、皇后さまは「眞子ちゃん」と呼びかけ、ご自身は「ばあば」と表現されている。眞子さまが蚕を飼ったり、皇后さまの作業を手伝ったりされたことも紹介されている。小学生にも理解しやすいように易しい言葉を使い、漢字には仮名を付けられるなど、皇后さまの優しい心遣いが伝わるお手紙だ。



各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 秋篠宮ご夫妻は宮邸で、東日本大震災に関連し、5日に水産庁長官から、8日に農林水産省総括審議官らから進講を受けられた。

 秋篠宮妃紀子さまは6日、結核予防会本部(東京都千代田区)で、結核予防会東日本大震災対策委員会に出席された。

 寛仁親王殿下の長女、彬子さまは4、5の両日、とよた光の里ウェルフェア・コンサートXIXのため、愛知県を訪問された。

 高円宮妃久子さまは3日、国立霞ヶ丘競技場(東京都新宿区)で、富士ゼロックス・スーパーカップ 柏レイソル対FC東京戦を観戦された。7日、国際交流基金(東京都新宿区)で、「平成23年度国際交流基金地球市民賞」授賞式とレセプションに臨まれた。

 高円宮家の長女、承子さまは8日、26歳の誕生日を迎えられた。





草莽崛起:皇国ノ興廃此ノ一戦在リ各員一層奮励努力セヨ。 

東日本大震災で板橋区に避難している人たちが、安野光雅さんの絵本展に到着された皇后さまを歓迎した

=9日午前9時19分、東京都板橋区の板橋区立美術館(代表撮影)



草莽崛起:皇国ノ興廃此ノ一戦在リ各員一層奮励努力セヨ。 

        タイのインラック首相と会見される皇太子さま=8日午前、皇居・宮殿(代表撮影)