(宮内庁発表分/4日・日)
【午前~午後】
皇后陛下、東京大学医学部付属病院お見舞い(東京都文京区)
【午後】
陛下 東大病院からご退院《皇后陛下ご同行》
天皇陛下ご退院、「どうもありがとう」と笑顔であいさつ。
天皇、皇后両陛下は4日午後2時35分ごろ、東大病院入院棟の1階に姿を見せられた。左手に花束を持ったスーツ姿の天皇陛下は、しっかりとした足取りで歩き、皇后さまとともに、居合わせた大勢の患者らに歩み寄り、ガラス戸越しに手を振って応えられた。
玄関では、東大病院の門脇孝院長をはじめ治療に当たった医師らが両陛下を見送った。陛下は一人一人に「どうもありがとう」と笑顔であいさつされ、皇后さまも丁寧にお辞儀をされた。
午後2時40分ごろ、両陛下が車に乗り、東大病院を後にされると、医師らが握手を交わし、陛下のご退院を喜ぶ場面もあった。
医師らの見送りを受け東大病院を退院される天皇陛下と皇后さま
=4日午後2時38分、東京都文京区(代表撮影)
宿泊5日、病室に花、音楽も
皇后陛下、献身的にお支えに。
手術から約2週間、天皇陛下は東大病院で、医師の指導の下、心臓の機能の回復を図る「心臓リハビリ」に取り組まれてきた。速いペースで歩けるまで筋力は回復したが、投薬治療の影響で、食欲不振に悩まれているという。皇后さまはリハビリ中に音楽を流したり、陛下の口に合う品を御所で手作りして届けたりするなど、入院中の陛下を献身的に支えられた。
陛下は手術翌日の19日、集中治療室(ICU)で水を飲み、流動食を口にされた。ベッド脇で立ち上がり椅子に移動するなど体を動かすこともこの日からスタート。ICUから特別病室に移動した20日以降、リハビリ生活に入られた。
腕を伸ばすような軽い動作から始め、術後1週間を迎える頃には、病院の廊下を歩いたり、階段の上り下りをされるなど、少しずつ体に負荷をかけるメニューが加わった。「使い慣れたものがいいというご判断」(側近)から、陛下が御所で使われているランニングマシンも病室に運び込まれた。
宮内庁の金沢一郎皇室医務主管は退院数日前のご様子について「速いペースで歩行訓練をされていた」と紹介。「ストレッチをするときに(傷口が)チクッとして我慢していただくこともある。リハビリはおつらかったと思うが、黙々とされた」と話した。
一方、皇后さまは皇居での公務をこなしながら連日お見舞いに通い、計5日病室に宿泊された。皇居で摘んだフキノトウやアカバナマンサクを病室に飾ったり、リハビリ中に由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」など心の和む音楽をかけたりされた。
手術後、食欲が落ちたことを気にされる陛下に「陛下のお口に合う物を、手を替え品を替え、作ってお持ちになった」(金沢医務主管)皇后さま。ご入院中の陛下を精神面でサポートされた。