船中八策のバッタもんに龍馬が怒った! | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






yohkan様のブログ・愛国画報FromLA より。





京に急ぐ土佐の夕顔丸の船上。船室で書き物をしていた坂本龍馬 は甲板に出ると、望遠鏡を覗く後藤象二郎を見つけて、すたすたと歩み寄った。「後藤様」と名を呼ぶや、一礼して大判の書状を差し出す。


「むむ、これは」文面に目を落とすや、後藤の目がぎらぎらと輝きだした。龍馬が云う。

「後藤様に納得してもらえるようやったら、是非とも大殿様にもご覧頂きとうございます」


書状には、大政奉還や憲法 制定、議会政治の設立、強力な海軍力の保持、正当な外交政策の推進等々、新日本のあるべき姿が纏められている。世に云う船中八策である。後藤は龍馬に告げた。

「坂本よ、もっと綺麗な字で書かかなければ、大殿様には見せられんぞ」


龍馬はにっこりと笑い再び頭を下げた。


と、そこに近づく男がいた。相当な年配だが足元はしっかりしている。揺れる甲板も苦にならぬらしい。海には慣れている。


「おお、後藤さん、坂本さん」鷹揚に呼びかけると自筆の書状を差し出した。


「あなたたちも読むといい」ぶっきらぼうに男が差し出した書状には、国家再建(憲法 ・教育)、政治改革、外交防衛、構造改革などの文字が踊る。自主憲法 の制定や政府紙幣 100兆円の発行、羽田空港を中心とする東洋一のハブ空港建設も具体策として述べられている。国への熱い思いが伝わる。


「やや、これは」深く感銘を受けた後藤象二郎と坂本龍馬 の目に感動の涙が光る。


「い、石原様、これは『救国八策』ではありませんか。ああ、日本の夜明けは近い」龍馬は感に堪えぬ面持ちだ。


「いやいや」石原慎太郎 は軽くかぶりを振り、目をしばたたかせながら語りだした。「幕末の英雄おふたりからお褒め頂くとは恐縮ですがね。まあ、現代の日本は病んでいるわけだ。しかしね、滅びさせてはいかんのだよ」


石原の言葉に大きく頷くふたり。明日の希望で表情が明るい。


と、そこに若い男が駆け寄ってきた。


「あの、ぼくのも見て欲しいんですよね」そう云いながら、船中八策と書かれたメモ用紙を差し出したのは橋下徹 であった。なに、船中八策?と、龍馬が怪訝な顔をする。もしやバッタもんか?


何を云う、別に所有権にも商標権にも触れていないと、弁護士らしく平然とつっぱねる橋下。失礼にも龍馬に対し、貴方のイメージを借りるだけだ、と言い放ちカラカラと笑った。





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メモには、地方分権、首相公選制 の導入、掛け捨て年金制度、ベーシックインカム 、貯蓄税、参議院 廃止などの文字が脈絡無く羅列されている。何が云いたいのか、さっぱりわからない。


「首相公選とは何じゃ。帝を愚弄する気か」と不快そうな後藤。

「ウケ狙いの政策を無根拠に並べただけでは、民主党 の糞マニフェストとかわらんでないか。さてはおぬし、日本の破壊を企む敵の工作員か」と手厳しい。


「貯蓄税などとワケのわからん税制で富裕層を苛め、ベーシックインカムと称して、貧しい庶民に富を配るのは共産主義ぜよ。」と呆れた表情の龍馬。

「自由民権の思想もわからんようじゃのう。これじゃあ新日本は成り立たんぜよ」と、橋本に侮蔑の目を向けた。


さすがに心配そうな表情の石原が助け舟を出す。「橋下君、もうちょっと詰めてから出直したほうがいいんじゃないか」


メモが不評と分かるや、橋下はふくれっ面になった。「この八策に賛同してくれれば衆院選で提携しますけどね。してくれなきゃ、提携しませんよ。ええ、絶対しません。維新の会はね、大阪府・大阪市のダブル 選で勝ったんだ。ぼ、ぼくはですね、こう見えてもね、大衆から支持されているんだ!マスコミだって味方だ!」


自らの言葉に激高したのか、橋本は顔を真っ赤にして怒鳴る。

「ぼぼぼ、ぼくは、行列の出来るテレビ弁護士だぞ!お茶の間の人気者なんだ!全国の女性ファンがきゃあきゃあ泣いて喜ぶんだ!」


それを聞いた坂本龍馬 はにやりと笑った。

「な~にを云っちゅう。お茶の間の人気や女性ファンの数なら、この龍馬がおまんに負けるとは思わんぜよ」


よく見れば福山雅治 だった。