【書評】『保守の使命』杉原誠四郎著
民主党政治が混迷をきわめるいまこそ、本来の保守の在り方が問われなければならない、と著者はいう。
では、保守とは何か。保守は偽善を憎み、進歩に懐疑的で、感性を尊重し、社会に責任をもつ。そして自尊心が基底に流れている思想という。要するに責任をもった現実主義で、地に足が着いた存在ということ。そう考えると、民主党政権がいかにも非現実的、無責任、浮足立った政権であると感じられる。
本書のすごいところは、左派の人々にも保守思想を持とうと呼びかけているところだ。
著者は教育研究家。このほど、「新しい歴史教科書をつくる会」の会長に就任した。その手腕が期待される。(自由社・1785円)