【皇室ウイークリー】(215) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










皇后陛下、卵かけご飯の食べ方をご質問。

雅子さまのフランスご訪問「検討なし」





  宮内庁東宮職の小町恭士東宮大夫は20日の定例会見で、3月12日から17日までフランス・マルセイユで開かれる「第6回世界水フォーラム」に皇太子ご夫妻がそろって出席する可能性について問われ、「検討していることはない」と明らかにした。

 水フォーラムは、水に関する世界の問題を取り上げる国際会議。3年ごとに世界各地で行われており、水問題に関心が深い皇太子さまの出席が検討されている。皇太子さまの訪問について小町氏は「決まっていない」としたが、少なくとも病気療養中の雅子さまが訪問されないことは明言したことになる。

 なお、直前の3月11日は東日本大震災から1年の節目に当たるため、フランス訪問が実現する場合でも、ご出発は翌日以降となりそうだ。

 一方、先週の会見では雅子さまが感染性胃腸炎になったことが発表されたが、胃腸の症状は治まって熱も下がり、ここ2、3日は少しずつ日常のご活動に戻られているという。

 天皇、皇后両陛下は18日、皇居・宮殿で、平成23年度農林水産祭の天皇杯受賞者らと懇談された。

 陛下は「このたびの受賞を心からお祝いいたします。さまざまな困難を乗り越え、研究や努力によって大きな成果をあげ、農林水産業や地域社会の発展に寄与されたことを嬉しく思います。皆さんの業績が農林水産業に携わる人々の励ましとなることと期待しています。仕事に携わる人々がみな健康に十分気をつけ、これからも元気に過ごされるよう願っています」とお言葉を述べられた。


両陛下はその後、農業、水産業など7部門の生産者14人とご懇談。生産者が取り組みを説明するために用意した地図や写真などのパネル、生産品を熱心にご覧になった。

 長野県東御市で稲作やぶどう園、酪農などに取り組む農産部門の受賞者が、生産した牛乳でジェラートを作っていることを紹介すると、皇后さまは「ジェラート?」とおたずねに。ジェラートはイタリア発祥の氷菓だが、説明を聞いた皇后さまは「シャーベット!」と話し、納得された様子だった。

 兵庫県豊岡市で養鶏を営む畜産部門の受賞者は、鶏に与える飼料を工夫することで黄身の色をよくしていると説明。「卵かけご飯」がおいしいと話題になったことがパネルで紹介されているのを見た皇后さまは、「卵かけご飯は生のままかけるのですか?」と尋ねられていた。

 また、陛下は「豊岡では前に水害がありましたね。どうでしたか」とご質問。ヒヨコが1千羽溺死したという話を聞いて「大変でしたね」と話し、「(鳥)インフルエンザもご心配でしょうね」と気遣われた。岩手県遠野市の拝謁者に対しても、陛下が「地震のときは揺れたんでしょうね。農地は大丈夫でしたか」と尋ねるなど、災害の影響を心配されるお言葉が目立った。

皇太子さまは16日、東京・上野の東京国立博物館平成館で開催中の「北京故宮博物院200選」をご覧になった。

 宮内庁東宮職は、主催者側からの招きがあった「公務」としながらも、今回は皇太子さまの私的な希望で鑑賞されることになった面も強いと明らかにしていた。皇太子さまが研究対象としている「牛車」や「水運」について描かれた絵巻をご覧になることを希望されていたためだ。

 その作品は、北宋時代に描かれた、長さ約5メートルの「清明上河図」。中国では「神品」と称され、都市の人々のさまざまな生活ぶりが細かく描かれている。会場はこの日は休館日だったが、普段は巻物の前で二重、三重の人だかりができているという。

 皇太子さまは、通常の展覧会の鑑賞時間を大幅に上回る2時間以上滞在し、博物館の学芸員らとも懇談された。清明上河図は最初と途中の2回、時折単眼鏡を使いながら、合わせて数十分間にわたってじっくりとご覧になった。

 「全部で何人ぐらい人が描かれているんでしょうか」「渦巻いてますね。川の流れが」「人々の様子が非常によく分かりますね」「素晴らしいですね」など、感想を述べながらゆっくりと歩かれた。

常陸宮ご夫妻は17日、福島市松川町の「松川工業団地第1応急仮設住宅」を訪問された。ここには福島第1原発の事故で避難している飯舘村の人々214人がおり、近隣の「第2」と合わせると400人余りが生活している。

 常陸宮ご夫妻は、高齢の被災者をサポートする施設をご訪問。常陸宮さまは「痛いところはないですか」「ほかにご家族は」などと案じたほか、うちわで風船を打ち合う高齢者の運動も体験された。菅野典雄村長に対しては、放射能の除染について質問を重ねられた。

 被災地お見舞いは両陛下のみならず、さまざまな皇族がされており、そのお心の伝え方にはそれぞれの「個性」も出ている。常陸宮さまの場合、毎回、自らしたためた被災地への思いを被災者の前で読み上げられており、今回も同様にお言葉があった。

 その全文を紹介すると、「みなさん、昨年3月11日の東日本大震災により、想定をはるかに超える地震や津波で、福島県は大きな被害を受けました。その上、原子力発電所の事故により、長年住み慣れた我が家に帰ることもできず、不安と困難な避難生活の日々を余儀なくされています。私は近いうちに、健康で、安心して故郷に戻れる日が来ることを心から願っています。ご当地はいま、厳しい、寒い日が続いています。どうかみなさんはこの寒さに負けないで、明るい、平穏な暮らしができる日を待っていてください。日本中、世界中の人も願っています。きょうお会いできてうれしく思いました」というものだった。


各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 秋篠宮ご夫妻は17日、日比谷公会堂(東京都千代田区)で、第52回交通安全国民運動中央大会に臨席された。

 秋篠宮さまは18日、手賀沼親水広場水の館(千葉県我孫子市)で、山階鳥類研究所研究成果発表会に臨まれた。19日には、山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)で、山階鳥類研究所研究調整会議にご臨席。同日、東京大学総合研究博物館(東京都文京区)での研究会にも出席された。

 秋篠宮妃紀子さまは16日、宮邸で、宮内庁御用掛から進講を受けられた。20日、東京ドーム(東京都文京区)で、「東京国際キルトフェスティバル-布と針と糸の祭典2012-」に臨席された。

 高円宮妃久子さまは16日、宮邸で、元駐日英国大使夫妻と懇談された。20日、ホテルオークラ東京(東京都港区)で、いけばなインターナショナル東京支部新年昼食会に臨まれた。

 高円宮家の長女、承子さまは17日、ザ・キャピトルホテル東急(東京都千代田区)で、国際福祉協会(ILBS)新年昼食会に臨まれた。