新しい魔法の四文字「人物本位」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






夕刻の備忘録 様のブログより。





何度も繰り返し書いてきたことである。
今年もまたここから始めねばならない。

「政権交代」はまさに悪魔の誘いであった。
思考停止を促す魔法の四文字であった。

魔法の言葉で、多数を踊らせる。

中身はよく分からない。いや分かっては困るのである。分からない言葉を並べて、そこに何らかの雰囲気が醸されればそれでいい。ポピュリズムともワンフレーズ政治とも呼ばれる古典的手法である。国民には飢えを凌ぐ為の食料と、政治に関心が向かないような派手な娯楽を与えておけばいい。これが「パンとサーカス」の政治である。

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「地方分権」も四文字である。

その中身は分からない。「市」を廃止して「都」を作り、そして「道」を作り「州」を作るなら、二重行政であることには何ら変わりがない。いや今以上に多重になるだろう。アメリカのように州が独自の軍を持つというのなら、まだ話は分かる。国防も外交も国任せの地方自治体が、その統括理念を弄っただけで、一体何が変わるというのか。

この種の動きが顕著になるとき、そこには有権者の愚かさしか見えてこない。曰く「良いか悪いか分からないが、何かをやってくれそうだ」との人物評価が、投票行動を左右するのである。政治とは、特定の人間、特定の勢力に権力を与えることである。権力とは何か。権力とは、我々の生命財産を護りもすれば、奪いもするものである。

その権力を、場合によっては家庭を破壊し、自分を殺すかもしれない権力を、「良いか悪いか」分からない人間に託そうというのである。どんな誤解であっても、「あの人は良い人だから、何かをやってくれるに違いない」というのなら、まだマシである。「悪いかもしれない人間が、何かをやる」とは、それは「悪いことをやる」に決まっているだろうに。

そんな人間に、嬉しそうに投票する。口々に「良いか悪いか……」と口走りながら。「閉塞状況の打破だ」「何も決断しない政治からの脱皮だ」と騒ぎながら。あの人は「私を護るか殺すか分からないけれども、きっと護ってくれる(あるいはきっと殺してくれる)」、こんな二者択一を自慢げに語る有権者が、愚かでなくて一体何だというのだ。

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「政界再編」の四文字は、「政権交代」の隠語である。何としても自民党に政権を戻させない為の、新しい魔法の言葉である。民主党政権に辟易した人間が、何故こうも簡単に、この種の煽りに乗るのか、全く理解出来ない。

民主党政権の最大の問題点は、その左翼性もさることながら、素人集団であるという点に尽きる。素人に「専門家以上の価値」を見出し、それを標榜するのが左翼の左翼たる所以ではあるが、権力の何たるかを知らない、「政権担当能力」の有無など、自分自身に問うたことすらない人間達が、その素人性を丸出しにして、日々国益を毀損している。それが現状ではないのか。

そして「政界再編」とは、またまた「政権担当能力の有無不明の素人」に国政を任せることに他ならない。自民党を分裂させて、その中に吸収し、彼等の力をもって安定的に政権を維持させようと考えているのだろうが、政党政治は「党が新しければ、政権を担当した経験が無い党ならば、それは素人政治同然」なのだ。安倍や麻生が新党を作ったところで、未経験の政党がその座に就くことには何ら変わりがない。

半世紀以上も政権を担当してきた自民党が、目の前にあるにも関わらず、それを完全に無視して、批判に興じる。素人政治に辟易し民主党政治を糾弾している人間達が、またしても「新たな素人政治の実現」に奔走している様を見て、これを愚かでなくて何と表現しろというのだ。

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そして新参者の四文字が「人物本位」の選択である。
「党ではなく人で選べ」との悪魔の囁きである。

そんなに人を見る目がある有権者なら民主党など選んではいない。それは党で選んだからであって、人ではないというのだろうか。「人を見る目はあるが、党を見る目はない」という特殊な人達なのか。政策に対する理解も判断も出来ない人達が、複雑怪奇な人間性をどうやって見抜くというのだろうか。

大体「あなたは人を見る目がありますね」と言われて脂下がるような人間に、「人を見る目」などあるはずがないのである。マスコミは常に、こうして有権者の顎を撫でては、間違った判断をするように誘導してきたのである。「流石に有権者はよく見ている」「国民は馬鹿じゃない」等々。よく見ている馬鹿でない有権者が選んだのが、民主党政権なのである。この前提と結論の凄まじい落差は何なのだ。

麻生と鳩山を天秤に掛けて、鳩山が庶民的で人間性豊かだと連日報じ続けてきたマスコミに対して、有権者が公平な判断が出来るとでもいうのか。安倍と小沢を比べて、坊ちゃん育ちの安倍には無理だが、苦労人の小沢には庶民の苦しみが分かると、恐ろしいほどの虚偽報道をしていた状況下で、有権者がその「人を見ること」がどうやって可能なのか。

中川昭一と菅直人を比べて、本当に国民の経済や財政に通じて居るのは、野党暮らしの長い菅さんだと持ち上げていたのは何処の誰だ。ネットで「笑ってはいけない」と検索をすれば、大晦日の特番ではなく、中川昭一が頭のオカシナ野党議員に困惑する動画が先ず挙がるのである。

民主党政治を終わらせたい人達が、地元の「好人物」に投票する。そして、その人物が民主党議員である。あるいは素性を隠した「隠れ民主党」である。このことによって確実に民主党は延命をする。厚顔無恥には際限が無いのである。彼等は、「人物本位」の言葉を最大限に悪用して、「民主党はダメだったが、私は違う」と言い続けるだろう。

疑問があれば、原口を見よ。毎日毎日、こればかりを言い続けているブタコウモリは、今日もまた何処かで確実に、民主党批判をしながら、自分だけは別だと叫んでいるだろう。

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最後に「人物本位」の選択を一瞬にして破壊する四文字を紹介しよう。それは「党議拘束」である。如何なる好人物であっても、政治的手腕に長けた人間であっても、政党人としては、この拘束から逃れられない。これに反すれば離党はやむを得ない。離党は「小政党乱立という政治的混沌」を加速させるだけである。何事も決定出来ない政治状況を作るだけである。こんな馬鹿な話はないではないか。


民主党政治を終わらせたいなら、本当にまともな政治を取り戻したいなら、今は「自民党一択」である。自民党政権下で「政界再編」なり「地方分権」なり、「自民党打倒」なり、何でも好きにやってくれ。

自民党を倒すというのなら、自民党が政権の座に居なければ倒せないだろう。反自民の人達も考え直した方がいい。「自民党打倒の為には先ず自民党政権の復活」に御協力頂きたい。今の政権は、「あなたがたが自民党を倒した結果」ではない。マスコミ主導の詐欺選挙に、有権者が引っ掛かったに過ぎない。人生の目標である「自民党打倒」に再度邁進して頂きたいものである。

その時は喜んで加勢しよう。自民党政治の問題点は、どんどん追求すればいい。その前に国会を狂人の手から、確信犯から、テロリスト達から取り戻す、これが最優先課題だと主張しているのである。