古事記1300年紀でイベント多彩。
東京で29日にシンポ。
「古事記」の完成1300年を記念するシンポジウムが今月29日、東京で開催される。奈良県は「記紀・万葉プロジェクト」のキックオフ・イベントと位置づけ、関東からの誘客を図る。一方、古事記編纂(へんさん)に携わった稗田阿礼の出身地、同県大和郡山市は今年を「古事記1300年紀」としてさまざまなイベントを繰り広げる。
記念シンポジウムでは、「全国古事記ゆかりの地サミット」を開催。古事記ゆかりの奈良、鳥取、島根、宮崎各県の知事が出席し、発信する地域の魅力や取り組みなどを紹介する。定員700人に対し申し込みは順調で、関心の高さをうかがわせるという。
また、大和郡山市は、稗田阿礼が同市稗田町の出身であることから古代世界を伝えた阿礼の功績にちなみ、「語り継ぐ」ことの大切さをイベントを通じアピールする。2月4日にはやまと郡山城ホールでオープニングイベントを催し、千田稔・奈良県立図書情報館長ら4人がトークショー「古事記を楽しむ」を行う。
一方、古代の有力氏族、葛城氏ゆかりの地方では、「記紀と葛城」をテーマにした講演会・シンポジウム(葛城周辺地域イベント実行委主催)を2月19日に同県大和高田市のさざんかホールで開催する。強大な力を持ちながら謎に包まれた葛城に研究者らが迫る。
古事記編さんに携わった稗田阿礼をまつる売太神社=大和郡山市