中山成彬オフィシャルブログ・立て直そう日本~この国を守る覚悟を~ より。
最悪の独裁者といわれた金正日が死んだ。後継者に三男の金正恩が着いたと報道されている。日本にとっては、総書記に就任する前から拉致を命令した許されない人物であった。3年前に脳疾患で倒れて以来、5年以内の命といわれていたので驚くほどのことではないが、世界の独裁者が次々に倒されていく中でまた一つの巨悪が消えた感がある。
これからどうなるか、日本のマスコミはこれまでのどの指導者が死去した時よりも大々的に報道しているが、似たり寄ったりの解説である。その中でテレビ局のキャスターの中に喪服まがいの服装をしている姿があったのは奇異に映った。
金正恩は早速、稀にみる指導者であるとか、外国経験も深く父親と違って柔軟性もあると期待する解説もある。金正日の妹夫婦が必死に支えるのだろうが、まだ30歳にもならず、長老達や軍に囲まれ、中国の圧力も強まる中で、どれほどのことが期待できるだろうか。むしろ最悪のことも想定しておかなければならない。
それにしても、拉致担当の山岡国家公安委員長・拉致担当大臣が安保会議に間に合わなかったという。そもそも問責決議を受けて不適任の烙印を押されている閣僚である。野田総理を含め民主党政権のしまらない姿には言葉もない。
李明博韓国大統領が訪日した。自民党時代から、日韓の首脳が相互に訪問するピストン外交を進め、両国間の関係を深めようというものであったが、今回の訪日はひどかった。首脳会談の殆どを「いわゆる従軍慰安婦」に対する補償を一方的に主張し続けたらしい。支持率低下で背に腹は代えられない心境だろうが、韓国内の反日感情を利用するしかないのだろうか。このブログの読者は、「従軍慰安婦」が朝日新聞がでっち上げたものであることは周知のことであるが、この14日には韓国の日本大使館前に「従軍慰安婦」の記念像まで建立されたという。外交上許されざる非礼であり、断固撤去を要求すべきである。
この「従軍慰安婦」問題は歴代の自民党政権にも問題がある。平成5年、宮沢内閣の河野官房長官談話によって、「いわゆる従軍慰安婦」としてその存在を認めたようなことになった。「自分は日本軍に強制連行された」と主張する慰安婦の聞き取り調査でも確証は得られなかったと、河野官房長官も石原官房副長官も後で認めている。それなのに目前の政治課題を処理する為、その場しのぎの対応をしてきたことが今日まで後を引いている。
安倍内閣が誕生してすぐ、当時「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会長をしていた私は、同志とともに官邸に乗り込んだ。そして安倍総理大臣に「従軍慰安婦」問題を政府の責任で調査するという言質を取って、待ち構えていた記者団に発表した。しかし、1時間半後に官房副長官から自民党の方で調査してくれという連絡が入り、驚きあきれかつ落胆したことを思い出す。おそらく外務省筋あたりから強い圧力があったのだろうと想像したものだ。
今度の金日正の死去に際して泣き叫ぶ北朝鮮の人々の姿も我々には奇異に映る。「従軍慰安婦」問題も自分達は売春をしていたと人前で公表することを恥ずかしく思わないのだろう。大統領が第2、第3の記念碑が建つと恫喝するに至っては何をかいわんやである。恥の概念が薄いのは民主党政権と同じだ。
野田政権になって5兆4千億円の通貨スワップを供与したり、いろいろ便宣を図っているようだが、慰安婦の銅像など建てるなと強く言えないのか。野田政権の弱腰にはほとほと呆れ返ってしまう。
野田首相はこの25日から訪中するという。当初は12月13日に訪中する予定だった。野田総理は13日が南京攻略戦の日だったという事を知らないままに、あやうく外務省や中国の思惑に乗せられるところだった。抗日記念館を訪問する最初の現職総理大臣にならなくてよかったねと申し上げたい。
それにしても、本多勝一に「中国の旅」を書かせて南京事件をデッチ上げたり、吉田清治の「私は済州島で従軍慰安婦狩りをした」というデッチ上げ本を大々的にキャンペーンして世界中で日本の名誉を落としめた朝日新聞の罪は重い。朝日新聞関係者もこうなってよかった思う人ばかりではないはずだ。誰が日本人に屈辱を与えて一番喜ぶのか。日本のマスコミであれば、国民の為にはこれからどうしたらよいか考え直すべき時に来ているのではないか。
歴史認識をまともなものにするところから日本の再建は始まると思う。