情報収集衛星打ち上げ成功 H2A
北朝鮮の軍事施設監視に弾み。
政府の情報収集衛星・レーダー3号機を搭載したH2Aロケット20号機が12日午前10時21分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。
H2Aは14回連続の成功で、信頼性の国際的な目安とされる「20回の打ち上げで成功率95%」を達成。世界の主要ロケットの一つとして足場を固めた。
北朝鮮の軍事施設の監視などを行う情報収集衛星は昼間の晴天時に撮影する光学衛星と、夜間や曇天でも撮影可能なレーダー衛星の各2基セットで本格運用できる。現在運用しているのは光学だけで、レーダーは1号機が平成19年3月、2号機が昨年8月にいずれも電源の不具合で故障した。
後継の3号機は、識別可能な物体の大きさ(解像度)を欧州の商業衛星並みの約1メートルに向上させた高性能機種。電源の不具合を防ぐ対策も実施済みという。開発費は398億円、打ち上げ費用は103億円。
順調にいけば約1年半ぶりにレーダーの運用が再開する見込みで、来年度は4号機を打ち上げ、現在4基の光学と合わせて本格運用の態勢が整う見通し。
情報収集衛星レーダー3号機を搭載し打ち上げられたH2Aロケット20号機。
急上昇の影響で先端にリング状の雲が現れた=12日午前10時21分、鹿児島県・種子島宇宙センター