“無法状態” | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【採択の危機】

“無法状態”の沖縄県教委 八重山問題 越年の可能性。





沖縄県八重山地区(石垣市、与那国町、竹富町)の中学公民教科書が一本化されない問題は、採択期限から3カ月が経過してもなお決着がつかない状態が続いている。省令に基づく期限を優に過ぎているにもかかわらず、文部科学省が新たに設定した期限を「法的根拠がない」として守らず、閣議決定した政府見解に反する指導を行う県教委。文科省は新たに年内という期限を設定したが、“無法状態”と化しているだけに、越年の可能性も出てきた。

 「法的根拠(の採択期限は)3カ月前に切れていますから」

 中川正春文科相は2日の会見で、文科省が11月末とした教科書一本化の報告期限を、沖縄県教委が「法的根拠がない」との見解を示して守らなかったことについて不快感をにじませた。

 県教委は今回に限らず、これまでも文科省の指導や期限を無視し続けてきた。

 文科省は8月23日に採択地区協議会が答申した育鵬社を逆転「不採択」とし、東京書籍を選定した9月8日の協議について、石垣、与那国両市町側の合意が得られていないため無効と判断。県教委に対し、省令に基づく教科書需要数の報告期限である9月16日までに、竹富町に育鵬社を採択させるよう指導したが、県教委は「再協議を促したい」として従わなかった。

文科省幹部らはこれまで「一本化へ向けた努力をされている」と県教委をたててきたが、実際に県教委が一本化へ向けて動いたのは、11月28日に3市町教育長会談を開いたことと、3市町に2回文書で通知したことだけ。9月16日と11月末という2度の期限を守らず、約3カ月間、ただ時間を引き延ばしただけといわれても仕方のない対応だ。

 さらに2度の文書指導のうち11月28日の通知では、9月8日の協議を有効とする「県教委の見解」と題する文書を添付。事実上、東京書籍での一本化を求めており、同協議を無効とし、採択地区協議会の答申に従って育鵬社で一本化すべきだと閣議決定した政府見解に反する指導を行った。

 文科省は教科書無償措置法に基づく協議会の答申に従った石垣、与那国両市町は無償供与の対象とし、竹富町が従わなかった場合、対象外とする方針で、2日、竹富町に年内までに対応を決めるよう求めた。

 しかし大城浩沖縄県教育長は1日の県議会で「教科書を地方自治体が購入できる法的根拠について承知していない。国の責任で無償供与してもらいたい」と答弁。竹富町の慶田(けいだ)盛(もり)安三教育長も「東京書籍を採択したことに法的瑕疵(かし)はなく、簡単に変えられない。法の不備なので、今回は特例で無償供与を認めてもらいたい」としており、年内に決着するかは不透明だ。