韓国、竹島で実効支配強化 水中庭園など建設で入札。
【ソウル=加藤達也】
日本固有の領土で韓国が不法占拠する竹島(韓国名・独島)をめぐり、韓国が実効支配強化に向け新たな計画を進めている。これまでに韓国メディアが伝えたところでは、5千トンの旅客船などが島に接岸できる大型の埠頭(ふとう)兼用防波堤の建設などが中心で、「独島」を観光地として活性化させて来島者を増やし、実効支配を誇示する狙いがうかがえる。
韓国国土海洋省の計画を詳報した25日付の東亜日報によると、防波堤は長さ210メートル。島の渡し場と136メートルの橋で結ばれる。堤の端には海中を観覧できる「水中庭園」や「水中展望台」が設置され、大小2つの島の間に仮称「エコ通行施設」という連絡道路が通る。また、灯台などの電力をまかなうため波力発電所が造られるほか、防波堤近くの海中には魚が集まる魚礁ブロックを沈めるなど、観光集客を意識したものとなっている。
国土海洋省は既に建設のための基本計画を確定、建設業者選定のための入札も終了している。早ければ2013年上半期に着工し、15年までに計4000億ウォン(約265億円)を支出するという。
東亜日報は「今年3月、日本が中学校社会科教科書に独島が日本の領土だとしたこと」と「(日本が)外交青書で独島領有権を主張したこと」への韓国政府の総合対策の一環だとし、「支配権強化を目的とした開発事業」と韓国政府の見解を代弁している。
一方、武藤正敏駐韓大使は25日、竹島をめぐる韓国政府の計画が報じられたことについて、建設に反対する意思を韓国外交通商省に伝えた。
この計画をめぐっては、日本の外交反発を招く恐れがあるとして、実現可能性は未知数との観測を示す韓国メディアもある。
韓国国土海洋省が大型埠頭兼用の防波堤などの建設構想を進める竹島