子育てをするコウテイペンギンたち
南極大陸に住む、コウテイペンギンたちの愛くるしく心温まる写真が、フォトグラファーのポール氏によって撮影されたそうだ。コウテイペンギンは零下数十度の冬の氷原で繁殖を始める「世界でもっとも過酷な子育てをする鳥」として知られている。
-60度になる極寒の冬の氷原上で身を寄せ合いあいながらやっとの思いで孵化させた子どもたち。孵化してからもオスとメスは交互に子どもたちに餌を与える為に寒い海へと入っていく。子どもたちは暖かい愛情という毛布で身を包まれながらすくすくと育っていくんだね。
コウテイペンギンはオスのみが抱卵する。卵は約65日で孵化するが、抱卵中のオスは雪を食べるしかない絶食状態に置かれるため、孵化する頃にはオスの体重は40%以上も減少してしまう。
繁殖地へ移動した頃から数えると約120日間も絶食していることになる。ヒナが生まれても、メスがまだ戻ってきていない場合には、オスは食道から分泌した白色の乳状の物質(ペンギンミルクと呼ばれることがある)を餌としてヒナに与える。メスが海から戻ってくると、ヒナの給餌はメスが行うため、オスはやっと海に出て行けることになるが、遠い海までの道のりで力尽き死んでしまうオスもいるという。(wikipedia
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海へ行ってきたメスはヒナのための食物(オキアミなど)を胃に貯蔵しており、食物を吐き出してヒナに餌として与える。ヒナは最初羽毛も生えていないが、やがてヒゲペンギンを小さくしたような黒と灰色の綿毛が生える。海へ行ったオスは、やはり同様に食物を胃に貯蔵して、数週間後に繁殖地へ戻ってくる。以後、オスとメスが交代でヒナの番と餌運びを行う。
ただ、戻ってきてもヒナがなくなっていたりしていると、メスは他のヒナを奪って育てようとする。 ヒナの成長につれ、摂取する餌の量が増えていくと、オスとメスが両方とも海に出るようになる。この頃、ヒナばかりが集まって「クレイシ」 (フランス語でクレーシュCreche、保育所の意味) という集団を作る。クレイシは子育てを行っていない若鳥などに守られながら徐々に海岸へと移動する。
ヒナが充分に成長する頃にはクレイシも海岸に到達し、南極も夏を迎える。ヒナが成鳥の羽に換羽するのと同時期に、成鳥も冬羽から夏羽に換羽する。なお換羽の間は海に入らず、絶食することとなる。換羽の終わった群れは餌の豊富な夏の南極海へ旅立つ。